産業用ロボットとは?

産業用ロボットの起源は、1954年にアメリカのジョージ・デボルによるロボットの特許の出願です。

現在、産業用ロボットは日本を含めた世界の製造業の現場で活躍しています。

熟練工の技術をロボットにプログラミングできれば、技術が途絶えることはありません。

産業用ロボットは、溶接や塗装などの用途別に種類が多岐にわたります。

産業用ロボットの導入を検討する場合は、製造工程のどの部分をロボットに任せるかが重要です。

産業用ロボットを紹介

産業用ロボットは、日本工業規格のJISによると、“産業オートメーション用途に用いるため、位置が固定又は移動し、3軸以上がプログラム可能で、自動制御され、再プログラム可能な多用途マニプレータ。”と定義付けされています(注1)。

多くの企業は溶接や塗装などの危険作業、単純な連続作業などをロボットに任せ、生産性や安全性の向上を図っています。

産業用ロボットの種類

産業用ロボットは、人の腕の関節に似た機構をしている「垂直多関節ロボット」や、直線の移動をする「直交ロボット」など様々な種類があります。

製造現場でよく活躍しているロボットは以下の通りです。

  • 垂直多関節ロボット
  • 水平多関節ロボット(スカラロボット)
  • 直交ロボット
  • パラレルリンクロボット

垂直多関節ロボットは、多軸で人間の肩や肘、手首のような複雑で滑らかな動きができるロボットです。
軸とは、人間の関節のようなもので、回転したり曲げたりといった動作をします。

溶接や塗装、ねじ締めにはこのタイプが使われ、汎用性の高いロボットです。

水平多関節ロボット(スカラロボット)は、水平移動を基本とします。
また、停止した地点では上下に動き、水平方向の滑らかな動きと垂直方向の強さを両立できます。

動きはシンプルですが、掴み上げた物を水平移動して上から載せるといった組み立て作業が得意なロボットです。

直交ロボットはボールねじなどから構成されている、縦・横・高さの直線方向の動きに特化したロボットです。
重い製品の製造ラインへの搬送が得意です。

パラレルリンクロボットは、3本のアームの先端にある吸着ユニットでワーク(被加工材)を吸い付けて移動させる動きが得意です。
直交ロボットで搬送されてきた製品を、別のラインへ移動させたりします。

ロボットの種類毎で得意な作業や適した作業があります。産業用ロボットの導入には大きな初期費用が掛かります。

導入に失敗しないよう、ロボットの種類を理解してから検討してください。

産業用ロボットを導入するメリット

産業用ロボットには、人間の作業員にはないメリットが多くあります。
以下の3つのメリットにフォーカスして解説します。

  • 生産性向上
  • 品質向上
  • 省人化でコストダウン

産業用ロボットを導入して現場の悩みが解消されるかを考えてください。
上記以外にも、製造ロットの識別や記録、材料〜加工〜完成品ロットの紐付けの容易さからくるトレーサビリティの向上や労務問題からの解放などのメリットもあります。

ここからは、産業用ロボットを導入するメリットを解説します。

生産性向上

産業用ロボットの導入によって、現場の生産性が向上します。

製造業の現場では、「自動化」は生産性を上げる1つのキーワードになっています。
産業用ロボットを上手く活用できれば、業務の最適化ができます。

危険作業や過酷作業をロボットに任せて、作業員には他の作業を任せることで人が関わる作業の生産性も向上可能です。

また、ロボットには休憩も必要なく、24時間連続で稼働可能です。
単純作業で、重労働の工程についてロボットへの置き換えが可能であれば、導入を検討する価値はあります。

品質向上

産業用ロボットを導入すると、ヒューマンエラーは大きく減り、ムラのない作業品質・製品品質をキープできます。

産業用ロボットはプログラミングされた動きの繰り返しが得意です。
ロボットに製作させるだけでなく、ロボットによる製品の検査で品質を上げることもできます。

ただし、ワーク(材料)の公差レンジが広い場合は、ロボットの設定にも注意が必要です。
材料の寸法公差とロボットの加工公差が交わった際に、不良品が出来上がる可能性もあります。

省人化でコストダウン

産業用ロボットは、少子高齢化で作業員が減っていく中、現場の省人化とコストダウンに役立ちます。
ロボットの初期費用は高額ですが、人間の何人分かの仕事量を行い、雇用にかかる諸経費が不要になります。

したがって、トータルコストでは人件費よりも安くすることが可能です。

最低限の維持費は必要ですが、毎年一定以上の人件費の支払いや昇給もありません。
産業用ロボットは、人手不足の課題を解消し、コストダウンにもつながります。

産業用ロボットの未来

経済産業省によると、日本は世界一のロボット生産国で、世界のロボットの約6割は日本製のロボットです(注2)。

自動車業界がメインの導入先ですが、近年ではインバーターやサーボモーターなどの弱電分野の製造現場にも広く採用されています。
ワークの移動やねじ締め、金属部品の溶接などで活躍しています。

産業用ロボットの市場動向と、「協働ロボット」のニーズ向上について解説します。

産業用ロボットの市場動向

産業用ロボットの需要は中国を中心に広がっています。
経済産業省によるデータでは、“世界の産業用ロボット販売台数は2013年から2017年の5年間で2倍に増加。今後も年平均14%増見込み。”と産業用ロボットの分野の成長が示されました(注3)。

産業用ロボットは、組立や搬送、溶接や塗装の現場で広く採用されています。
世界全体で産業用ロボットがさらに導入されていくことでしょう。

また、産業用以外の食品や医薬品など「非産業分野」への進出も今後期待できるでしょう。

協働ロボットの需要が伸びる

産業用ロボットの中でも、安全柵なしで人の作業を補助する「協働ロボット」のニーズの拡大が顕著です。

理由としては、ロボット自体の安全性向上、ロボットメーカーの企業努力によるコストハードル低下が挙げられます。

また、作業を行うためのプログラミングの簡素化や2013年の法改正により安全柵設置の必要がなくなったことも需要が伸びている一因です。

例えば、重い製品の移動や製品の検査などの単純作業をロボットに任せて、技能が求められる工程は人間が作業をするなど、補い合うことで生産性を上げることができます。

5GやIoT、AIなどの新たな技術のサポートを受けて、ロボットの汎用性と技術は高くなり、需要はより広がっていくでしょう。

産業用ロボットは大企業だけの武器ではない

産業用ロボットの導入は、広大な土地や莫大な資産を持った大企業だけの選択肢ではありません。
小さくてもパワフルで安価な産業用ロボットはたくさんあります。

製造工程の中で生産性を上げたい作業をロボットに置き換えることができるかがポイントです。

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引用(参考)
注1:日本工業規格 JIS B 8433-1:2015 「機能安全活用実践マニュアル ロボットシステム編 … – 厚生労働省 P.17-18」
注2:経済産業省 「経済産業省におけるロボット政策」
注3:経済産業省 「ロボットを取り巻く環境変化と今後の施策の方向性 ~ロボットによる社会変革推進計画~」

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