ゲーム規制で日本市場へ  攻勢強める中国ゲーム会社

いまや世界有数のゲーム大国となった中国で、未成年者(18歳未満)へのゲーム規制が行われた。自国での事業が大幅に制限される中、中国のゲーム会社は日本市場への攻勢を強めようとしている。既に始まっている人材の引き抜きや、制作会社への出資が加速する可能性もある。

シェアする
ツイート

ゲーム大国のゲーム規制

ゲーム大国のゲーム規制

2021年8月末、中国のメディア等を管轄する国家新聞出版署は、「管理の一層の厳格化による未成年者のオンラインゲーム依存を適切に防止する通知」を発出。未成年者のゲームプレイ時間を大幅に制限する新たな規制を制定した。

ゲーム会社は、18歳未満の未成年者に対して、オンラインゲームの提供を、金、土、日曜日と法定休日に限定。時間に関しても、午後8時~9時までの1時間に制限した。

それ以外の時間のゲーム提供が禁止されたほか、ユーザーアカウントの実名登録と登録要求の厳格な執行が義務付けられた。この新しい規制により、中国のゲーム会社は、未成年者からの課金収入の大幅な減少が不可避となる。

規制が、海外進出の契機に

中国のゲーム会社は規制強化、課金収入の減少への対抗策として、国内市場への依存を脱却し、グローバル展開によって他国からの収入増を目指すこととなるだろう。

特に、市場規模がそれなりに大きく、「荒野行動」や「原神」といったタイトルが大きな課金収入を生み出している、日本市場が注目されている。

日本市場は、すでに中国製ゲームへの忌避感は、さほど大きくは見られない。また、相対的にコンテンツ提供に関する規制や、ユーザー利用時間等の規制も緩慢と目される。

日本市場は、新しい規制環境のもと、中国ゲーム会社の最有力開拓市場と位置付けられる可能性もある。

すでに動き始めたゲームの巨人

すでに動き始めたゲームの巨人

既に、テンセントやネットイース、バイトダンス(動画投稿サイトTikTokを運営)は、日本での活動を強化している。

テンセントは、2020年1月に元カプコンのクリエーターにより設立された独立系ゲームデベロッパー「プラチナゲームス」(ベヨネッタなど)へ出資、2020年5月には上場ゲーム会社マーベラスへ出資した(後者では、約20%の筆頭株主に)。

人材引き抜きや出資も拍車がかかる

人材引き抜きや出資も拍車がかかる

ネットイースに関しては、「龍が如く」制作者として知られる名越稔洋氏(セガを退社)を獲得交渉中とも報じられている。日本のアニメ業界への出資にも意欲的と見られるなど、着実な浸透を図っているものと見られる。

バイトダンスに関しても、高給を提示してゲーム業界の有力な人材を囲い込むべく動いている模様である。このような大手中国エンタメ企業は、今回の新しい規制を受けても、大きくは方針を変化させないものと見られる。

日本市場重視の姿勢をとるならば、より日本製有力IPやゲーム関連人材の獲得意欲、ないしは有力ゲーム会社への出資攻勢に拍車がかかる可能性があるだろう。

中堅企業も後に続く可能性

むしろ、注目されるのは、中国の中堅ゲーム会社と考えられる。中堅ゲーム会社は、相対的に中国国内の依存度が高いと考えられ、中国での新しい規制環境下、早急なグローバル展開に舵を切る必要が生じる可能性がある。

既存タイトルの日本展開を行うために、タイトル自体のローカライズと、日本でのマーケティングリソースの投入強化が必要となり、日本のゲーム会社との(資本も含めた)提携関係が生み出される可能性があるだろう。

日中企業のアライアンスに期待

このような期に、新しいゲーム性の具備に悩む日本のスマホゲーム会社が、中国ゲーム会社の開発力を活かす形でアライアンスを組成して、日本のスマホゲーム業界に新風を巻き起こすことを期待したい。

コメントを送る

頂いたコメントは管理者のみ確認できます。表示はされませんのでご注意ください。

コメントが送信されました。

関連記事