プラットフォーム戦略とは?Amazon・楽天・Appleなど成功企業の事例を解説

GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)は、いずれもプラットフォーム戦略により成長を続けてきた企業です。こうした企業は魅力的なプラットフォームをユーザーに提供することで、市場で優位性を保ち、顧客の新規開拓や囲い込み(ロックイン)に成功してきました。日本国内でも、企業と顧客が1対1の関係を築くB to C(顧客-企業)ではなく、プラットフォーマーが企業にビジネス基盤を提供し、1対多のアライアンスをつくる「B to B to C(顧客-企業-企業)」を採用する企業が増えています。本稿では、プラットフォーム戦略の特徴や、後発プラットフォーマーが成功するポイントを解説します。

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プラットフォーム戦略とは?

プラットフォーム戦略とは、複数の企業や組織とアライアンスを結び、顧客に価値を提供するための共通の土台(プラットフォーム)を構築する経営戦略です。

プラットフォーマーは、複数の企業から人脈やノウハウを取り込み、さらに自社ビジネスを成長さられます。また、数多くのパートナー企業を参加させることで、プラットフォーム自体の魅力が高まり、顧客の新規開拓や囲い込み(ロックイン)が可能になります。

デジタル時代の幕開けがプラットフォーム戦略を生み出した

多くの企業がプラットフォーム戦略を採用したきっかけは、インターネットの普及にあります。プラットフォーム戦略の前身が、半導体企業に見られた「アセット・ライト戦略(資産保有の最小限化)」です。工場を持たないファブレス経営によって、開発=自社、製造=他社という共生関係のネットワークを構築することで、効率的でフットワークの軽いビジネスモデルを実現しました。

関連記事:工場を持たない「ファブレス経営」のメリットとは? コア事業に経営資源を集中

現代では、デジタルテクノロジーの発展により、こうしたネットワークの構築がさらに容易になりました。インターネットを通じて、パートナー企業とオンデマンドで共生関係を結び、多くの企業が自社の製品やサービスの付加価値を増大させようとしています。

フェイスブックやツイッターなど、独自のプロダクトやコンテンツを持たず、こうしたネットワークの「場」のみを提供する企業が登場したのも、デジタル時代の特徴です。

プラットフォーム戦略の特徴は「B to B to C ビジネス」

プラットフォーム戦略は、「B to B to C ビジネス(顧客-企業-企業)」という呼ばれることもあります。

従来の「B to C(顧客-企業)」では、企業と顧客の1対1の関係が基本でした。対して、プラットフォーム戦略では、プラットフォーマーが参加企業と1対多の関係を結び、さらに各企業が顧客と関係を構築します。

なぜプラットフォーム戦略が注目されているのか?経営戦略の違いを生む3つの理由

なぜ、プラットフォーム戦略がこれほど注目を浴びているのでしょうか。プラットフォーム戦略が競合他社との違いを生み出す3つの理由を解説します。

理由1:「ネットワーク効果」により、サービス価値が爆発的に増加する

プラットフォームのユーザーが増えれば増えるほど、プラットフォーム全体の価値が高まることを「ネットワーク効果」と呼びます。例えば、料理レシピサイトのプラットフォーマー「クックパッド」も、ネットワーク効果で成長した事例です。ユーザーがレシピを投稿すればするほど、レシピサイトのコンテンツが充実します。レシピサイトとしての魅力が高まれば、さらなるユーザーがプラットフォームに参加します。このように、サービスの利用者を増やせば、ネットワーク効果によりサービス価値がさらに高まり、プラットフォームの魅力が爆発的に上昇します。B to C型のビジネスにはないメリットの1つです。

理由2:「ビッグデータ」の活用により、顧客分析が容易になる

プラットフォームに参加する企業やユーザーが増えることで、多くの情報、ノウハウ、アイディアが集積されるのも、プラットフォーム戦略の強みです。特に注目を集めるのが、「ビッグデータ」の活用です。例えば、世界的なプラットフォーマーであるAmazonは、顧客の購入データを解析し、顧客の属性や購入傾向を分析しています。プラットフォーマーは、プラットフォームを通じてビッグデータを集め、自社のサービス向上に役立てることが可能です。

理由3:複数の業界をまたぎ、新たなビジネスチャンスを創出する

プラットフォーム戦略を取ることで、複数の業界の経験知を持ち寄り、新たなビジネスモデルを構築できます。特にオープン・プラットフォームでは、自社やグループ企業以外も参加できるため、産学官連携による価値創出も可能です。経済産業省 中部経済産業局も、産学官連携による新産業創造戦略の重点7分野の1つとして、「プラットフォーム・ビジネス(情報家電分野)」を挙げており、重点的な支援を行う方針を決めています。[注1]

プラットフォーム戦略の代表的な5つの成功事例

これからプラットフォームを構築したい方は、まずプラットフォーム戦略の成功事例に学びましょう。国内外の5つのプラットフォーマーを紹介します。

事例1. Windows:コンピューターOSを多くの企業や開発者に公開

プラットフォーム戦略の代表的な例が、Microsoftが開発したOS「Windows」です。Microsoftは他のベンダーに先駆けて、Windowsを誰でも利用可能なオープン・プラットフォームとして開発者に公開しました。その結果、2020年3月時点で、WindowsのデスクトップOSのシェアは89.2%に達しています。[注2]

事例2. iTunes:音楽コンテンツの巨大プラットフォームを構築

iTunesはAppleが提供する音楽コンテンツのデジタル・プラットフォームです。従来はCDやレコードなどのハードウェアとして流通していた音楽コンテンツを、デジタルコンテンツとして配信・販売する新たなマーケットを開くことで、著作権者とユーザーをつなぐ強固なプラットフォームの構築に成功しました。

事例3. Amazon:世界最大のネットショップサービスを提供

Amazonはネットショッピングサイトを世界最大規模に成長させ、ネットワーク効果により、プラットフォーマーとして確固たる地位を築きました。自社の製品だけでなく、プラットフォームに参加した企業が多種多様な製品を販売し、利用者の多角的なニーズを満たすことに成功しています。

事例4. Facebook:ユーザーがつながるSNSで世界的なプラットフォーマーに

Facebookはデジタル時代に登場し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)で大きな成功をおさめたプラットフォーマーの1つです。自社の製品やコンテンツを提供するのではなく、WEBを通じて企業やユーザーがつながる「場」を提供しました。プラットフォームに集まる膨大なユーザーをターゲットとした、企業向けの広告サービスを展開し、収益をあげています。

事例5. 楽天市場:Amazonに次ぐ国内有数のプラットフォーマー

楽天市場もAmazonと同様、さまざまなジャンルのショップが出店する「場」を作り、多くのユーザーを集めたプラットフォームです。自社が商品を販売するというより、業種を超えた多種多様な参加企業が集まることで豊富な品揃えを実現し、ユーザーにとって魅力的なショッピングサイトになっています。

プラットフォーム戦略を成功させる3つのポイント

後発の企業がプラットフォーム戦略を成功させるポイントは3つあります。

ポイント1. 「ターゲット」と「マーケット」の2つを定義する

最も大切なのが、プラットフォームの「ターゲット」と「マーケット」を定義することです。例えば、楽天市場は「リアル店舗では優位性を発揮できない中小企業」をターゲットに設定し、プラットフォーマーとして成功しました。ブルーオーシャンを発見するのは困難ですが、既に多くのプラットフォームが先行している以上、顧客や市場の細かな分析(セグメンテーション)を必ず行いましょう。

ポイント2. キャッシュポイントを明確にする

プラットフォームから収益を得る方法(キャッシュポイント)は2つあります。1.プラットフォームの「利用料」を参加企業から得るか、2.プラットフォームを通じて製品やサービスが購入された場合に、顧客から「手数料」を得るかです。この2つでは決済システムも異なります。

ポイント3. 参加企業と強固なアライアンスを構築する

。プラットフォーム企業の収益性は、ネットワーク効果により、参加企業の数に強く影響されます。特に後発のプラットフォーマーは、参加企業を集めるため、プラットフォームの特徴や利点を丁寧に説明して、強固なアライアンスを構築することが大切です。

ユーザーや企業と信頼関係を築き、強固なプラットフォームの構築を

現代の企業が競争を生き延びるためには、ただ製品やサービスをリリースするだけでは不十分です。

プロダクトを通じて世の中に変化をもたらし、顧客に対し「社会的な価値」を提供していく必要があります。そのためには、ユーザーやパートナー企業と強固なアライアンスを結び、「協創関係(共に価値を創出する関係)」を築いていくプラットフォーム戦略が効果的です。

[注1] 経済産業省 中部経済産業局:ここからはじめる!産学官連携
[注2] マイナビニュース:Windows 7が増加 – 3月デスクトップOSシェア

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