「池袋」サブカルの聖地への進化

池袋が、サブカルの聖地としての存在感を増している。女性のアニメファン層を取り込み、秋葉原と並びたつ存在に成長した。「消滅可能都市」に指定されるなど危機感を強める豊島区によって、積極的な施設整備が進められており、勢いはさらに加速しそうだ。

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「メイド」の秋葉原と「執事」の池袋

池袋

池袋は江戸時代までは田園地帯だったが、明治以降は立教などの私立学校が移転してきたのに加え、鉄道の開業で徐々に発展。戦後、戦犯が収容された巣鴨プリズン跡地に「サンシャイン60」ができるなどして都内有数の繁華街としての地位を築いた。高度経済成長期には、池袋駅は、西武鉄道、東武鉄道のターミナル駅ということもあり、市街化が進展する埼玉方面への玄関口としての地位を高め、JR東日本の「各駅の乗車人員ランキング」では、長らく新宿に次ぐ第二位の座をキープしている。

1990年代は「カラーギャング」と呼ばれる不良少年が集まるなど、「治安の悪い街」というイメージが根強かったが、最近様変わりしている。

現在の池袋は、男性オタク向けとされる秋葉原と対照的に、女性向けアニメグッズの聖地として名高い。「サンシャイン60」近辺には、アニメグッズショップ「アニメイト」を中心に、女性向けアニメ関連の店が集積している。秋葉原の「メイド喫茶」と対をなす女性向け「執事喫茶」の存在も、池袋らしい個性となっている。近年では、アニメを好む外国人来訪も増加している模様だ。

このような「サブカルの聖地」池袋では、2020年夏までにライブ関連施設やシネマコンプレックス、文化施設などが新設/リニューアルされる見込みだ。

civichall

旧豊島区役所跡地には、既に一部が先行オープンしている複合施設「Hareza」が新設され、劇場、ホール、シネコンが併設される。2020年夏には、2500席を有するシネコンが入居する「キュープラザ池袋」もオープン予定。さらに、2020年3月には、出版大手の講談社が、ブシロードやテレビ東京など他のエンターテインメント関連会社と協業して、ライブエンターテインメントを主軸にしたビル「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」をオープンし、ライブエンタメ事業に参入する。

「消滅可能都市」豊島区の危機感

サンシャイン60

豊島区は2014年、定住率が低い、単身若年世帯が多いことを背景に、日本創生会議により、東京23区で唯一「消滅可能性都市」に指定された。それ以降、魅力的なまちづくりの対策が必要として、「女性にやさしいまちづくり」や「国際アート・カルチャー都市構想」などを標榜してきた。

s豊島区の中心地である池袋は、上記2施策をアピールするために欠かせない場所であり、既述のエンターテインメント関連施設の充実のほか、公園やトイレの整備を積極化させてきている。

このような「池袋」の進化は、「2019年 LIFULL HOME’S 住みたい街ランキング」で、「首都圏・借りて住みたい街」部門にて3年連続で首位を獲得したことからも、首都圏住民から確実に高評価を得つつあることが確認される。

としまえん閉園→ハリポタテーマパークの入り口に

アニメイト

加えて、報道によれば、西武ホールディングスが運営する遊園地「としまえん」は、2023年を目途に「ハリーポッター」のテーマパークに建て替わるとされている。この報道が事実ならば、池袋は同テーマパークに向かう出発駅ということとなり、西武池袋駅には「ハリーポッター」の装飾を施した施設の新設、劇中の「ホグワーツエクスプレス」塗装の特急列車の運行など、新テーマパークをを盛り上げる演出がなされる可能性が有るだろう。この「ハリーポッター」テーマパークの新設が、更なる池袋の魅力向上につながるか注目したい。

一方、池袋の魅力が増し、人が集まりすぎる場合、全国どこにでもあるようなチェーン店舗の出店が増加し、街の魅力が劣化するリスクも存在する。現在の“尖った個性”を如何に維持し、池袋らしさを失わない発展につなげるかが課題となるだろう。

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