グリーンマーケティングとは?事業活動に環境配慮を組み込む手法

グリーンマーケティング(エコマーケティング)とは、事業活動に自然や生態系への配慮を組み込むマーケティング手法です。

配慮する対象は、気候変動リスクや、大気・水の汚染リスク、サプライチェーンにおける原材料やエネルギーなど資源の利用方法、生物多様性への影響など多岐にわたります。

環境問題の解決に貢献する事業を意味する「グリーンプロジェクト」と混同しやすいですが、グリーンマーケティングは環境問題の解決自体を目的とせず、あくまでメインの事業に「環境へ配慮するプロセスを織り交ぜる」活動と捉えましょう。

これを踏まえると、グリーンマーケティングの例として次のような活動が挙げられます。

  • 再利用やリサイクルが可能な製品づくり
  • 既存製品に対する環境配慮機能の付与
  • 太陽光、風力、バイオマスなどのグリーンエネルギーの使用
  • 生産廃棄物の削減
  • 現地での売買、輸送エネルギーの削減

グリーンマーケティングのターゲットは増加傾向に

グリーンマーケティングのターゲットとなるのは、環境に配慮した商品やサービス、環境対策に力を入れている企業を選択する顧客層(グリーンコンシューマー)です。

消費者だけでなく、国や自治体、企業、民間団体といった法人組織においても、環境保全を視野に入れた消費行動は広がりをみせています。

もともと温暖化をはじめとした地球環境の問題は長年言及されてきましたが、近年とくに問題意識が高まっている風潮があります。

その要因として、国連主導の「SDGs(持続可能な開発目標)」に関する取り組みの活発化や、度重なる記録的豪雨や猛暑といった気候変動などが挙げられるでしょう。

ほかにも、従来から問題視される次のような課題の認識が進んでいるのも要因のひとつです。

  • 水質汚染(工場・生活排水)
  • 海洋汚染(プラスチックや土砂の流出)
  • 土壌汚染(農薬、廃棄物)
  • 大気汚染(工場や自動車の排気ガスなど)
  • 資源の枯渇(燃料、金属など有限の埋蔵資源)
  • ゴミの増加(再生処理されない廃棄物、余剰食品など)
  • 建材や化学製品などによる健康被害

こうした課題に対する企業のCSR(企業の社会的責任)や消費における環境への配慮責任は年々強まっています。

そして、事業者と消費者の環境に関する利害が一致することで、グリーンマーケティングに相乗効果が生まれるのです。

グリーンマーケティングのメリットは3つ

グリーンマーケティングは、時代の要請として半ば「やらなければならない」印象が強まっているかもしれません。

そこで、グリーンマーケティングの実施によって得られるメリットについて焦点を当ててみましょう。

主に考えられるメリットは以下の3点です。

グリーンコンシューマーを新規顧客として獲得しやすい

自社のグリーンマーケティング活動がうまくアピールできれば、グリーンコンシューマーは自分の目的を果たすために顧客として関わってくれる可能性が高まります。

国際的な環境問題への認知の進みにつれて、グリーンコンシューマーの存在は増加傾向にあるため、将来の優良顧客を発掘するチャンスと考えましょう。

CSRを果たす企業と評価され、クリーンなイメージや信頼を得やすい

グリーンマーケティング活動のアピールは、消費者にとどまらず、株主や投資家などのステークホルダーの目にも届きます。

環境への取り組みはCSRの一環として評価され、クリーンな企業イメージや信頼を得られる可能性があるでしょう。

近年は財務情報だけでなく、環境・社会・ガバナンスに配慮のある企業に投資するESG投資の注目が高まっているため、環境評価を受けると資金調達の面でもメリットがあるのです。

関連記事:ESG投資とは?注目高まる背景や、メリットをわかりやすく解説

エコ商品などの代替品で新たなブランド価値を創出できる

グリーンマーケティングの取り組みには、独自のアイデアをベースとしたエコ商品の開発が含まれます。

たとえば、植物由来のスニーカーや廃棄される予定だった野菜を原料とした和紙など、エコ商品の多くは環境に配慮する以上に、ユニークなアイデアが多いのが特徴です。

つまり、グリーンマーケティングは従来のモノのあり方を刷新し、新たなブランド価値を創出する可能性を秘めています。

グリーンマーケティングを実施する際のポイント

環境保全による社会貢献と副産物となるメリットの両方を享受できるグリーンマーケティングですが、実施する際には注意しておきたいポイントがあります。

主に考えらえる2つのポイントについて、以下にご紹介します。

取り組みには一貫性を持たせる

グリーンマーケティングは、現状の経営方針や事業内容に対して整合性がとれていて、取り組みに一貫性を持たせると効果的です。

たとえば、オーガニックな健康食を提供する飲食店で、使い捨ての食器を利用するのはグリーンマーケティングとして一貫性がないとみられるかもしれません。

「環境に優しい」というイメージを売り上げに繋げようとし過ぎると、「グリーンウォッシング(うわべだけ環境に配慮しているかのように取り繕うこと)」とみなされ、かえってマイナスイメージを持たれる危険があります。

この例においては、再生可能な紙の容器や洗って繰り返し使える容器を利用するなど、無理なく自然に導入できる施策を取り入れると良いでしょう。

消費者の目的に寄り添ったメッセージを発信する

環境への取り組みに関心のあるグリーンコンシューマーの目的は、主に自身の消費行動で持続可能な社会に貢献し、未来の暮らしを守ることです。

グリーンマーケティングの取り組みは、消費者の理解を得るところから始めると効果を発揮しやすいと考えられます。

そのため、企業側はエコな商品やサービスを導入するだけでなく、「エコバッグの利用でごみの削減を」「FSC認証マーク(※)のついた商品を購入して森林を守ろう」といったメッセージを積極的に発信する必要があります。

※適切な森林管理がされていると認証された森林で収穫された木材を使用した木材・紙製品に付与される認証マーク

消費者の目的に寄り添ったメッセージは消費者の行動を刺激し、結果的にマーケティングの成功につながるのです。

ウェブサイトや商品パッケージ、ポスターなど、ターゲット層にしっかり届くマーケティングチャネルを選びましょう。

自社の事業と環境保全との関係について意識する

グリーンマーケティングは、「環境に配慮する目的」を共有する企業と消費者が協力して成り立つ活動です。

企業は環境へ配慮するプロセスをマーケティングとして成立させるため、一貫性のある事業活動と消費者へのアピールが必要となります。

グリーンマーケティングが成功すれば、社会貢献と利益創出の両方を達成し、市場や業界における一定の評価と地位が期待できます。

今後もSDGsを筆頭とした環境問題への取り組みは活発化していくとみられるため、自社の事業と環境保全との関係について意識しましょう。

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