国別の「コロナ鎖国」耐性比較

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今回、農林水産省が発表する世界各国の穀物自給率(2002年版/2013年版)と、㈶日本エネルギー経済研究所が発表する各国のエネルギー(石油・天然ガス)自給率(2016年版)を参考に、アセアン主要国の比較を行った。

◎(自給自足に不足なし): ベトナム
〇(飢えずに生産活動も可能): インドネシア・フィリピン
△(飢えないが生産活動に足かせ): タイ
×(飢える): マレーシア・シンガポール

◎:ベトナム(+ミャンマー)

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ベトナムはタイと並びコメの輸出国、穀物自給率は100%超。ただし、人口増に加え、国内産業の工業化進展もあり、自給率は近年低下傾向にある(2002年:129%→2013年:117%)。これに加え、ベトナムの場合は石油の自給率も100%を超えている点、他のアセアン諸国との比較で優位にある。これと同様の環境にあるのがミャンマーであり、穀物自給率(2013年:99%)・エネルギー自給率(石油・天然ガスとも100%超)ともに100%付近と、優位にある。ベトナム同様、ミャンマーも日系企業からの、進出への関心は一層高まることが見込まれる。

〇:インドネシア・フィリピン

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ベトナムに次いで自給率が高い主要国としては、インドネシアとフィリピンが挙げられる。とくに両国の場合、①穀物自給率が近年向上している点(インドネシア/2002年:85%→2013年:90%、フィリピン/同80%→84%)に加え、②天然ガスの輸出国(=自給率100%超)との点で類似している点が興味深い。他方、両国の課題は、工業化が遅れており完成品を輸入に頼る点が課題であり、当該分野で日系企業の参入余地に注目している。

△:タイ

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穀物自給率では域内最大のタイであるが、ベトナム同様、「飢え」の心配がない点は国力を持続する大きな原動力と言える。また、課題についてもベトナムと同様で、近年の自給率の低下が懸念される(2002年:156%→2013年:146%)。飢えないとの点では、ラオス・カンボジアも挙げられる(両国とも2013年:100%付近)。一方、タイはエネルギー自給率が石油・天然ガスともに「純輸入国」であり、域内随一の工業国としてのアキレス腱である。

×:マレーシア・シンガポール

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マレーシアとシンガポールは、穀物自給率が非常に低いという点で突出しており(マレーシア2013年:24%/シンガポール同:10%未満)、域内で弱い立場である。他方、マレーシアの場合はエネルギー自給率は天然ガス・石油とも純輸出国である点、シンガポールとは全く異なり生産活動には支障ない。結果として、想像に難くないが、シンガポールは域内で最も兵糧攻めに弱い。

コロナ影響でアセアン各国がこぞって経済支援策を打つ。域内GDPで20%近くにも相当する支援策で、(やむを得ないとはいえ)価値を生まない環境下で過去と同等の資金繰りを支援するわけであり、地球規模でカネを刷り、単純にバランスシートを膨らませることに他ならない(後世への飛ばし)。とはいえ、1997年に端を発したアジア通貨危機時の学びから、域内各国の財務面での耐性は相応に強くなっている。

まとめ

グローバル化した経済では、国ごとに役割の分業が生まれ、必ずしも各国の自給率が重要とは限らない。一方で、このコロナの呪縛から解かれるまでに想定以上の時間を要すことになった場合には、カネの問題以上に国の持久力(=自給自足)を問われることになり、このような点も考慮した事業戦略の立案が、今後益々重要となるだろう。

以上

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