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女性の課題をテクノロジーで解決する「フェムテック(Fem-Tech)」とは?
現在、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた「フィンテック(Fin-Tech)」や、法律(Legal)とTechnologyを組み合わせた「リーガルテック(Legal-Tech)」などが世界中で注目されています。 Technologyを活用して新サービスやノウハウを産み出す「クロステック(X-Tech)」の一つとして、近年特に関心が高まっているのが、女性に焦点を当てた「フェムテック(Fem-Tech)」。 そこでこの記事では、女性が抱える課題などを解決する術として注目されるこのフェムテック(Fem-Tech)について、その概要や注目背景、事例などを分かりやすく解説していきます。
「フェムテック(Fem-Tech)」とは
フェムテック(Fem-Tech)とは、女性(Female)とTechnologyを掛け合わせてできた用語で、女性が抱える健康課題をITで解決する新しいサービスやノウハウなどを意味します。ドイツの月経管理アプリ「クルー」の代表、アイダ・ティン氏が2012~13年頃、同社のサービスのビジネスを称するために造った言葉と言われています。
現在、フェムテックは女性の社会進出や晩婚化を背景に注目を浴び、市場調査やコンサルティングを行う米企業「フロスト・アンド・サリバン(調査レポート)」によると、2025年に世界で約5兆円の市場規模になるとも予測されています。
フェムテックには、生理日を記録するだけで分析や予測をしてくれるアプリや、骨盤底筋を鍛えるキット、また、オーガニック素材で作った生理用品をオンラインストアで販売するサービスなどが挙げられます。
フェムテック(Fem-Tech)が注目される背景について
フェムテックが注目される背景の一つには、女性にまつわる問題や課題を女性がオープンに語れるようになったこと。「#Me Too」運動などによって、女性が抱える問題が浮き彫りになったことなどが影響しているとされています。
また、生理現象などに関するテクノロジーが進歩したことも背景の一つ。例えば、これまで容易に数値化することができなかった身体的なデータについて、スマートフォンなどを活用し、女性が手軽に記録できるように。また、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)によって、研究機関などがリアルタイムにデータを蓄積したり解析したりできるようになりました。
フェムテック(Fem-Tech)が解決する課題
フェムテックがサポートする課題のトピックは、妊娠・不妊、月経、出産・子育てなど、多岐に渡ります。
妊娠・不妊
アプリ上で血圧や心拍数などの生理的な情報を記録し排卵日を手軽に確認したり、蓄積したデータを活用して自然な避妊対策を行ったり、また、望む時期での妊娠を可能にしたりします。高齢社会が進む日本では、高齢化に伴う妊娠・不妊の課題が浮き彫りになっており、フェムテックによる課題解決が期待されています。
月経・生理
女性が生理日を入力することで、生理周期を精緻に予測。アプリ提供元から、各時期で注意すべきさまざまな情報やアドバイスを女性がリアルタイムで受け取ることができるようになります。また、ナプキンなどの生理用品を定期的に受け取ることができるサブスクリプションサービスによって、女性のさまざまな負担を軽減します。
女性向けの健康情報サービス、ルナルナが実施したアンケート調査では、働く女性の8割以上が、生理痛やPMS(月経前症候群)による仕事への影響を感じていることが明らかに。また、バイエル薬品が日本人女性約2万人に実施した調査によると、これらによる労働力の低下がもたらす経済的損失は年間6828億円にも達するということです。
フェムテックによって生理・月経に関する多くの女性の課題が改善されれば、大きな経済効果をもたらすかもしれません。
出産・子育て
胎児の様子が、今まで以上に緻密にモニタリングできるようになると言われています。また、深部体温のモニタリングによって母体の体調を管理したり、アプリを活用して陣痛を家族に一斉通知したりするなど、出産に伴うさまざまな課題の解決を導きます。
また、乳児に関する悩みをオンラインで医師に相談することも可能に。子どもの体調に合わせた離乳食の提案をオンラインで受けるなど、子育てに関するサポートのオンライン化が期待されています。
フェムテック(Fem-Tech)を活用したサービスや提供企業
フェムテック(Fem-Tech)を活用したサービスや提供企業が拡大しています。ここでは、具体的なサービスの事例、企業を取り上げていきます。
「株式会社エムティーアイ(ルナルナ)」
フェムテックサービス、ルナルナを展開する株式会社エムティーアイは、フェムテックという言葉が誕生する以前から、生理日や排卵日の予測・管理ができるWebサービスを提供。フェムテックを索引する国内企業として、注目を浴びています。
2008年には、「新技術開発室」と呼ばれる専門の研究チームを作り、その後海外にAIラボ「MTI TECHNOLOGY Co.,Ltd.」を設立。フェムテックを取り巻くさまざまなデータの解析を進めています。
「ルナルナ メディコ」と呼ばれるサービスでは、ルナルナに記録した生理日や基礎体温などに関する体調の情報を、医師や患者が連携先の産婦人科や婦人科で閲覧・共有が可能に。また、治験サポートコースでは、治療内容やステップ、検査結果などに関する不妊治療のデータを、スマートフォン上で簡単に記録・閲覧することができるようになっています。
「Elvie(エルヴィー)」
2013年に設立された、英国企業の「Elvie(エルヴィー)」は、妊娠や出産を機に衰えやすいとされる骨盤底筋を鍛えるトレーニングデバイス「Elvie Trainer」などを展開しています。
小型のキットを膣内に挿入し、それらをアプリと連動させるなどして、女性の骨盤底筋を絞めるトレーニングをサポート。女性は、尿漏れや頻尿の原因にもつながる骨盤底筋の衰えを予防することが可能です。さらに、ハンズフリーで搾乳が可能なウェアラブル搾乳器「Elvie Pump」なども提供。
「Clue(クルー)」
クルーは、フェムテックという言葉を提唱したドイツ企業が展開する月経管理アプリです。次にやって来る生理の時期や、PMSの予測・分析を行うことができ、現在、1000万人超のユーザーを集めるなど、世界中で注目されています。
ユーザーは、生理の初日にアプリを開いて入力することで、システムが自動で生理周期を分析。また、妊娠しやすい時期について、アプリがユーザーに周知します。その他、さまざまな月経に関する情報をアプリ上で細かく管理することも可能です。
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フェムテックに関する理解は深まりましたでしょうか。女性にまつわる問題や課題が浮き彫りになる昨今、テクノロジーを活用した課題解決にさまざまな研究機関や企業が力を注いでいます。
フロンティア・マネジメント株式会社(FMI)では、最新のビジネスノウハウやプロセスに関して、経営のスペシャリスト集団がきめ細かに顧客をサポート。オウンドメディアやメールマガジンでは、お客様の悩みや課題の解決を導く、さまざまな情報を発信しています。
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