OODAループとは? PDCAとの使い分けと具体的な使用事例を解説

ビジネス上の課題解決のため、従来から使われてきたビジネスメソッドが「PDCAサイクル」ですが、近年「OODA(ウーダ)ループ」が注目を集めています。 PDCAと比較するとOODAはまだ認知度が低いですが、現在アメリカを中心にビジネスや政治など様々な分野で導入されています。 本記事では、OODAループの基礎知識や、PDCAサイクルとの違い、使い分けを解説します。

シェアする
ツイート

OODAループとは?決断の精度とスピードを高める意思決定の思考法

OODAループの図

OODAループとは、「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(決定)」「Act(動く)」の4つのプロセスを繰り返す意思決定の思考法です。

このように書くと難しく思われるかもしれませんが、シンプルに「見て」「考えて」「判断して」「動く」と表現すると簡単に感じられるでしょうし、普段みなさんも無意識に行なっている一連の行動のはずです。

しかし、皆さんはこの一連の行動をどれだけスピーディに行なっているでしょうか?OODAループは、この4つの行動を高速化する原理・メソッドと言えます。

意思決定スピードを高めることで競争優位に立てる

アメリカの航空戦術家のジョン・ボイド氏によって提唱されました。軍事行動において素早い決断や判断を行うための思考モデルとして活用されていましたが、ハーバード大学経営大学院のハーバード・ビジネス・レビューで度々紹介されるようになり、近年はビジネスシーンやスポーツでも取り入れられています。

同時にIoT、AI、ブロックチェーン、フィンテックなど新たな技術や考え方が次々と登場するようになったことで、ビジネス環境は激しく変化しています。

正しい決断を素早く行うスキルがビジネスで求められるようになり、特にシリコンバレーでは、OODAループを前提としたビジネスモデルが多く構築されています。

同時に現在のビジネスでは、IoT、AI、ブロックチェーン、フィンテックなど新たな技術や考え方が次々と登場するようになり、ビジネス環境は激しく変化しています。同時に競合他社の戦略も、消費者のニーズも目まぐるしく変化しています。

つまり常に状況が変化しているなかでは、正しい決断・思考を他社よりも素早く行うことで、ビジネスで競争優位に立つことが可能になります。そのため特にスタートアップやベンチャー企業がしのぎを削るシリコンバレーでは、OODAループを前提としたビジネスモデルが多く構築されています。

OODA とPDCAの違いは「意思決定」と「改善」

OODAループと並んで、ビジネスシーンでよく使われるビジネスメソッドが、「PDCAサイクル」です。

PDCAサイクルは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのプロセスからなります。

まず「Plan(計画)」を立て、実行結果のフィードバックをもとに計画を細かく修正していくのが最大の特長で、既存の問題を「改善」していく際に役立ちます。

一方、OODAループは「Observe」のフェーズからスタートし、客観的なデータをもとに取るべき最善の選択を絞り込んでいきます。つまり「意思決定」のためのメソッドと言えます。

想定外の事態に強く、迅速で正確な意思決定が可能になるのがOODAループです。そのためスピーディな変化が求められる現代ビジネスシーンにおいて、注目を集めています。

OODAとPDCAは状況によって使い分ける

OODAとPDCAはよく比較対象となりますが、どちらが優れているという概念はありません。OODAは客観的な状況判断のもと的確な意思決定を高速で行うに対して、PDCAは業務改善に適しています。

わかりやすく例えますと、OODAループは「起業」や「新規事業」といった明確な正解な見えない事業や、変化が目まぐるしい状況下に最適です。一方、PDCAは現状の業務やプロセスから課題を抽出し、改善することに向いています。

OODAループ①Observe(観察):客観的なデータを集め、整理する

「Observe(観察)」とは、客観的なデータを集め、整理するプロセスです。

このフェーズでは、まだ事業の計画を立てたり、あれこれプランを考えたりはしません。

自分の精神状態や置かれている状況、利害関係者(ステークホルダー)の行動、市場や競合他社の動向や、事業を取り巻くビジネス環境といった様々な要素について幅広く関心を持ち、情報収集を行うのが「Observe」のフェーズです。

一般的なマーケティングを例に挙げてみましょう。たとえば、ある商品の売れ行きがよくなかった場合、売上データを地域や年齢層、販売シーズンなどに整理し、情報を収集します。

20代の男性がターゲットの商品なのに、実は30代の男性への売上が好調だというデータが見つかるかもしれません。この情報は、次の「Orient(状況判断)」のフェーズで活かされます。

OODAループ②Orient(状況判断):状況を整理して仮説を立てる

「Orient(状況判断)」のフェーズでは、「Observe」のフェーズで集めた様々なデータをもとにして、今起こっていることの理解に努め、状況をうまく説明するための「仮説」を立てます。

ここで構築した仮説が、後々の「Decide」や「Act」のフェーズの前提となるため、OODAループの中でももっとも重要なフェーズです。

「Orient」のフェーズを成功させるポイントは、以前に立てた仮説や他人が構築した仮説と比較し、現在の仮説に誤りがないかを比較検証することです。

そのため、「Orient」のフェーズは、一度仮説を立てたら終わりではありません。

他のフェーズからのフィードバックを受け、何度も仮説構築を繰り返すことになります。

先ほどの例でいえば、「20代の男性の売上は低調だが、30代の男性の売上は好調だった」というデータから、「若年層と比べると、30代男性には経済的に余裕がある人が多く、商品の価格設定がマッチしていたのではないか」という仮説を立てるのが「Orient」のフェーズです。

次の「Decide」のフェーズでは、この仮説をもとに問題解決までの道のりを設定します。

OODAループ③Decide(意思決定):仮説をもとに問題解決への道のりを決める

「Decide(意思決定)」のフェーズでは、前の「Orient」のフェーズで構築した仮説をもとにして、問題をうまく解決するための方針を決定します。

多くの場合、ゴールにたどりつくための道筋は1つではありません。

そのため、「どのような選択肢が存在するか」「もっとも効果的な選択肢はどれか」などの思考プロセスを通じ、問題解決までの最適な道のりを選びます。

先ほどのマーケティングの例では、「若年層と比べると、30代男性は経済的に余裕がある人が多く、商品の価格設定がマッチしていたのではないか」という仮説を立てていました。

この仮説をもとにして、「商品の価格設定を動かすことが困難であるため、ターゲットを20代の男性から30代の女性へと変更する」という意思決定をします。

次の「Act(実行)」のフェーズでは、この決断を実際に行動へ移します。

OODAループ④Act(実行):ゴールに向けて計画を実行する

最後の「Act(実行)」のフェーズでは、「Decide」のフェーズで決定したプランを実行します。

先ほどの例でいえば、「商品のターゲットを20代の男性ではなく、30代の男性へと変更する」という決断を具体化するため、「広告のキャッチコピーや媒体を変更し、30代の男性にリターゲティングする」という行動をとるのが「Act」のフェーズです。

ここで注意すべき点が、OODAループは文字通り、意思決定のために4つのフェーズを「ループ」させる思考法だという点です。

実際にプランを実行してみても思うような結果にならないかもしれませんが、最初のOODAループで課題を解決できない場合、OODAループの結果からフィードバックを受けとり、再度「Observe」のフェーズに戻ってやり直しましょう。

OODAループを活用すればビジネス上の判断がスピードアップ

「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」の4つのプロセスを繰り返すOODAループは、客観的なデータに基づく仮説をベースにして、迅速で正確な意思決定が可能です。

ビジネスシーンに合わせ、OODAループとPDCAサイクルを使い分けることが大切です。

コメントを送る

頂いたコメントは管理者のみ確認できます。表示はされませんのでご注意ください。

コメントが送信されました。

関連記事