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エンジェル投資家とは? 資金調達のメリット・デメリットとベンチャーキャピタルとの違い
起業して間もないスタートアップ企業やベンチャー企業を支えるエンジェル投資家は、海外ではベンチャーキャピタル(VC)と並び、一般的な存在として知られています。日本ではまだまだ海外と比較して認知度も低く、絶対数も少なく、その数はアメリカの300分の1以下です。 しかし、日本でも税制改正などが追い風となり、近年では増加傾向にあります。今回はエンジェル投資家について、ベンチャーキャピタル(VC)やシードアクセラレーターとの違いや、エンジェル投資家から資金調達するメリット・デメリットを交えながら解説していきます。
エンジェル投資家とは?
エンジェル投資家とは、主に創業間もない企業や事業を志す起業家に出資する個人投資家のこと。スタートアップ企業が事業を軌道に乗せる前のシード期に出資するとともに、専門知識や経験・ノウハウを提供して企業の成長を支えていきます。
出資の見返りとして、エンジェル投資家は株式や転換社債を受け取るケースが多く、出資企業が将来、株式公開や事業売却(M&A)をしたときにキャピタルゲインを確定させます。
起業家のメリット
創業間もない企業は、資金に限りがあります。また事業計画があっても資金を得られないケースもあり、銀行などの金融機関から融資を得るには、審査が厳しく現実的ではありません。自己資金だけで起業できる人はほとんどおらず、家族・友人から資金を借り受けるケースもありますが、起業に必要な資金を用立てるのは簡単なことではありません。ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達では億単位の出資を受けられる可能性がありますが、厳しい審査をクリアする必要があります。この中間に位置する資金供給者がエンジェル投資家だと言えます。
そんな起業家にとって、資金援助から経営のアドバイスまでサポートしてくれる個人投資家は、まるで「天使」という意味を込めて、「エンジェル投資家」と呼ばれています。
エンジェル投資家とベンチャーキャピタル(VC)の違い
スタートアップ企業の資金調達先として、エンジェル投資家と並列で語られることが多いベンチャーキャピタル(VC)ですが、両者にはいくつかの違いがあります。
まず、エンジェル投資家は個人投資家ですが、ベンチャーキャピタル(VC)は投資会社(投資ファンド)です。ともにシード期のスタートアップ企業に投資しますが、エンジェル投資家の出資額は数百万円から2,000万円程度であるのに対し、ベンチャーキャピタル(VC)は数千万円から億単位で出資するのが一般的です。
多額の資金を出資するベンチャーキャピタル(VC)は、金融機関の融資審査と同様の審査をおこないますが、エンジェル投資家の場合、そこまで厳格な審査はなく、出資するかどうかは投資家個人の判断で決められます。
エンジェル投資家とユニコーン起業の日米比較
2014年におこなわれた第2回経済財政諮問会議の資料(※1)によると、アメリカ(2012年)のエンジェル投資家数が268,000人であるのに対し、日本(2010年度)は834人でした。その数は300分の1以下です。また、エンジェル投資額は、アメリカ(2012年)が229億ドル(約2.3兆円)であるのに対し、日本(2011年度)は約9.9億円。隔絶たる差があります。
エンジェル投資家から資金調達するメリット
一般的に、エンジェル投資家から資金調達するメリットは以下の3点だと言われます。
リスクの許容範囲が広い
経済的なリターンを超えた動機から出資するケースも多く、事業の収益性より事業内容の魅力を重視するのもエンジェル投資家の特徴です。そのため、金融機関やベンチャーキャピタル(VC)の審査に落ちた場合でも、エンジェル投資家から出資を受けられる可能性はあります。
経験・ノウハウの提供を受けられる
返済の義務がない
エンジェル投資家から資金調達するデメリット・注意点
エンジェル投資家からの資金調達にはデメリットもあります。
経営に関与されることがある
多額の資金調達はできない
個人間の紹介やマッチングなど出会いはあるが・・・
創業期を支えるシードアクセラレーターとは?
シードアクセラレーターとは、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル(VC)と同じく、シード期のスタートアップ企業を支援する組織のこと。昨今、日本でもその数が増加しています。
シードアクセラレーターの活動
シードアクセラレーターは、スタートアップ企業の事業を成長させるための支援をおこないます。様々なタイプのシードアクセラレーターがありますが、概ね資金提供の額は少額で、人脈の紹介、教育、助言、ワークショップの開催、リーガルサービスなどの支援をおこないます。
投資目的のシードアクセラレーターもありますが、どちらかと言うと、自社との協業やシナジー効果を期待して有望なスタートアップ企業を育成することを目的としています。それゆえ、支援企業のビジネスモデルより、サービスやプロダクトの優位性や、創業メンバーの資質など組織的な強みを重視する傾向にあります。
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エンジェル投資家やシードアクセラレーターとともに「死の谷」を越えていこう
スタートアップ企業には、「事業を軌道に乗せるのが先か、資金が底をつくのが先か」という苦難の時期、いわゆる「死の谷(デスバレー)」があります。最大の試練である「死の谷」を越えていくには、支援者の存在が欠かせません。起業家のみなさまに、良きエンジェル投資家、良きシードアクセラレーターとの出会いがあることを期待しています。
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