ビリビリとは

 
ビリビリとは

ビリビリは、2009年に創業された動画共有サイト「Mikufans」(初音ミクから命名)を源流とする。旧ドワンゴ(Kadokawaと統合)が提供してきた「ニコニコ動画」のように、画面上にユーザーのコメントが「弾幕」として表示される。

2010年に現サービス名に変更しているが、これも日本のライトノベル「とある科学の超電磁砲」(レールガン)の主人公の愛称からの命名であり、日本のアニメ/サブカルの影響力が垣間見える。

ビリビリの売上高は、2018年 41.3億元(約690億円)→2020年 120億元(約2,000億円)と、2年で約3倍に拡大し、MAUは同9,280万人→2億人(うちモバイル同7,950万人→1.9億人)、課金ユーザーは同440万人→1,790万人と、各指標もそれぞれ高成長を遂げている。

成長のきっかけはFGO

成長のきっかけはFGO

2016年には、日本でも大ヒットタイトルとなったスマホゲーム「Fate Grand Order」を配信し売上が急拡大、現在でもビリビリの売上高の最大構成比を占めるのはゲーム事業となっている。

また日本アニメの中国における配信権購入も行っており、日本アニメ産業の対外売上の一翼を担う重要取引先ともなっている。加えて日本のコミックやVtuberの配信も行うなど、ビリビリは、日本の2次元関連企業が中国で活動するための主要な窓口の一つとなっている。

ECが急成長

ビリビリの売上高は、ゲーム、コンテンツ課金、広告、EC/その他の4事業に分かれるが、とりわけ高い成長を見せるのが、EC/その他であり、2年間で10倍強の成長を見せ、売上に占める構成比は、3%から13%に拡大した。

これは、ビリビリプラットフォームにおいて、コンテンツ拡充と会員数の好循環のほか、ユーザーへのコンテンツ関連商品/サービスのクロスセル、即ちメディアミックス戦略が奏功していることを示しており、プラットフォームが理想的に拡大していることを意味する。

ソニーが出資、ビリビリとの接点強化で中国売上拡大目指す

ソニーが出資、ビリビリとの接点強化で中国売上拡大目指す

このようにアニメ関連で理想的にプラットフォーム拡大を持続するビリビリに対しては、グローバルでアニメ関連プラットフォームに積極投資をしているソニーが、2020年4月に4億ドル(出資比率約5%)を出資した。

また、成長のために積極投資を実施し大幅な赤字を計上しているにもかかわらず、時価総額は約4兆円に達するなど株式市場からの評価も高い。

先述の通り、メディアミックス戦略でEC/その他関連事業を伸長させているビリビリは、アニメ関連のフィギュアやプラモデルといったホビー商材の取り扱いにも積極的である。ビリビリとの協業を強化してきた上場ホビー会社「壽屋」は、アジア向け売上を急拡大させてきている(18/6期約8億円→21/6期予想18億円)。

今後は、コンテンツそのものだけではなく、コンテンツ関連商品でもビリビリと日本企業との協業が増加すると考えられ、出遅れた日本のコンテンツ関連企業は、中国での売上を伸ばすためにビリビリとの接点を模索する必要があるだろう。

コンテンツ人気、「日中逆転」リスクに備える

コンテンツ人気、「日中逆転」リスクに備える

今後のビリビリの注目点は、主力のゲーム事業と、日本コンテンツの取り扱い方針と考える。

中国のスマホゲームの市場規模は、3.4兆円と、日本の約3倍まで拡大しており、中国のゲームタイトルが日本でも人気化するなど、グローバルで存在感を示すに至っている。

結果、優れたゲーム開発力を有する中国ゲーム会社への中国有力プラットフォームからの投資意欲は旺盛である。

ビリビリも、主要事業であるゲーム関連会社への投資は不可避であり、資金力に優れるテンセントやネットイースといったゲーム大手にどのように対抗していくかが注目される。

日本コンテンツの取り扱いに関しては、中国が国産アニメ産業を育成している状況下であっても、現時点で配信権購入や共同開発、協業といったスタンスに大きな変化は見られない。ただし、政治的な動向次第で大きな変化のリスクは否定し得ず、また中国国産アニメの人気が日本アニメ人気を大きく凌駕する状況となれば、ビリビリのスタンスも変化するリスクがあるだろう。

ビリビリと「共同開発」という選択肢が有効

そのようなリスクに備える意味でも、中国側のニーズを熟知するビリビリとの“共同開発”というスタイルが、リスクをコントロールしたうえで中国での売上を伸ばしたい日本のコンテンツ関連企業にとって、有効となりうるだろう。

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