顧問弁護士とは?

顧問弁護士とは、会社と契約を結び、法律問題に関する相談や対応といったサポートを継続的に行ってくれる弁護士です。顧問弁護士の主な役割は3つあります。

1.緊急時のトラブル対応

会社経営には、突如発生する法的トラブルのリスクが付きものです。法的トラブルの例を挙げると、以下のようになります。

  • 売掛金未払い、納入品不具合、知的財産権の侵害といった企業間紛争
  • 従業員の解雇、従業員からの残業代請求などの労使紛争
  • 消費者からの製品やサービスに対する苦情やクレーム

顧問弁護士は、トラブル解決に向けた提言や、クレームの相手方との対話、訴訟に発展した場合の準備など、状況に応じてこちらが有利になるよう取り組んでくれます。

2.平時の法的整備

緊急時のトラブルが発生する以前の問題として、法令遵守(コンプライアンス)という観点も非常に重要です。例えば、会社経営と関係のある法律の一部を以下に挙げてみます。

  • 会社法
  • 特定商取引法
  • 労働基準法
  • 景品表示法
  • 著作権法
  • 商標法
  • 特許法
  • 消費者契約法

上記以外にも多岐にわたる法律や政令が経営に絡んでくるため、常時法令を意識しながら事業を継続するのは困難を極めます。

ここで必要となるのが、取引先との契約書や利用規約、就業規則や雇用契約などの整備・ブラッシュアップです。

顧問弁護士は、こうした会社内の法的整備を推進し、トラブルに強い体制づくりに尽力してくれます。

3.経営判断に際する相談

会社経営では、以下のように重要な判断や決断が求められるイベントを避けては通れません。

  • 資金調達
  • 配当政策
  • 新規事業展開
  • 事業の拡大(または縮小)
  • 採用活動方針
  • 広告宣伝

顧問弁護士は、こうした経営者を悩ませる判断を後押しするアドバイザーの役割も担っています。自社のビジネスに関するよき理解者として、また法律の専門家として、気軽に相談できる存在は貴重です。

顧問弁護士と契約するメリット

では、会社が顧問弁護士と契約する具体的なメリットは何でしょうか。以下にポイントを3つに分けて解説します。

1.法的トラブル対応に事業リソースを割かれない

顧問弁護士は、法的トラブル対応やトラブル体制強化を得意とする専門家です。

その手にかかれば、契約書のリーガルチェックといった軽微なものから、対複数訴訟への包括対応など、迅速または効率的な対応が期待できるでしょう。

すなわち、日常的に顧問弁護士の力を借りられるのであれば、トラブルに割く時間や費用といったリソースをあるべき場所に充てる余裕が生まれます。

2.法務部を設置するよりも安価

法務を専門とする法務部を自社内に設置する場合、人件費や部署設置にかかる諸費用が必要となります。

こうした費用を鑑みると、創業したての企業や規模の小さい中小等の企業であれば、法務部を設置せずに頭問弁護士に法務を任せるという手段が有効です。

顧問弁護士の契約費用についての詳細は後に解説しますが、月数十万円で法務部に人を雇うよりも、顧問弁護士を迎え入れる方が圧倒的に安くなります。

3.緊急時に弁護士を探す手間が省ける

顧問弁護士と契約していない会社は、事案が発生する度に契約する弁護士を探さなければならないため、対応における初動が遅れてしまいます。

仮に日ごろから付き合いのある弁護士がいたとしても、緊急時に自社を最優先に契約してくれるとは限りません。

一方、顧問弁護士と契約をしている場合、会社とその弁護士が常に委任関係にあると認められるため、ほぼ確実かつ迅速な協力を得られます。

契約すべき顧問弁護士を見極めるポイント

では、実際に顧問弁護士を選ぶに当たって、どういったポイントを重視すべきでしょうか。

今回は特に重要と思われる3点についてご紹介します。

1.自社の業界・事業における実績

まず第一に、会社経営に関する紛争に長けているだけでなく、自社が営む事業やそれを取り巻く業界に知見の深い弁護士を選ぶのが理想です。

各業界に存在する商慣習について詳しければ、法解釈やトラブル対応をスムーズに進めやすくなります。

選び方の指標としては、その弁護士の業界内における紛争解決実績や、同業他社における顧問経験の有無などが挙げられるでしょう。

2.協力者である姿勢の提示

顧問弁護士は経営上重要なパートナーとなるため、それだけの姿勢を示せるような人物を選びたいところです。

ここでの「姿勢」には、以下の要素が含まれるでしょう。

  • 親身に話を聞いてくれるか
  • 第三者として公正中立な感度がとれるか
  • 非専門家にもわかりやすい説明ができるか

気軽に相談できて話もわかりやすく、時には厳しい意見もくれるような弁護士が理想です。

3.レスポンススピードの保証

緊急時のトラブル対応は、早ければ早いほどこちらに有利となります。

そのため、可能な限り連絡に対して素早いレスポンスができる弁護士を選んだ方がいいでしょう。

例えば、休日対応可能を公言していたり、契約時に一定期間内の対応を約束する内容について同意するなど、レスポンスのスピードを保証してくれるような人を探すのがおすすめです。

顧問弁護士の契約費用はいくらかかるのか

顧問弁護士の契約費用(顧問料)は、会社の規模や顧問料の範囲内で受けられるサービスの内容によって異なり、一般的な相場は月額で5万円~30万円程度です。

顧問料は各法律事務所が自由に設定できるため、顧問料とサービス充実度の相関関係は一概には説明できません。

参考として日本弁護士連合会が公表している「中小企業のための弁護士報酬目安」の内容を整理すると、月額約5万円の相場で受けられるサービスの目安は以下のようになっています。

  • 月3時間程度の相談
  • 調査不要かつ電話やメールで即時に回答できる内容の相談

ここから月額顧問料が上がっていくと、契約書作成や売掛金回収といった実務の着手や、社内研修講師としての登壇など、対応してもらえる範囲が拡大していきます。

また、月額1万円以下の低額プランを設定している事務所もあります。

この場合、最低限の業務範囲を確保しつつ、追加料金やタイムチャージによって、必要に応じて顧問料範囲外の法律相談を依頼するという使い方が可能です。

自社が毎月どの程度の法律相談をする必要があるかを検討した上で、自社に合うプランや月額料金を採用している法律事務所を選ぶと良いでしょう。

顧問弁護士と契約してコンプライアンスに強い経営を

会社経営における法律問題は、複雑かつデリケートな部分です。悪意が介在しておらずとも、法令違反は経営に大打撃を与えます。

しかし、法令違反を恐れたおよび腰でビジネスに臨んでは、市場のスピードに適応するのは難しいでしょう。

社会的なコンプライアンスへの要請に応えるためにも、法的な理論武装はどの企業にも必要とされます。

顧問弁護士との契約は、膨大な法律知識とその活用法を知る人間を味方につけるのと同義です。

コンプライアンスに強い経営を目指すのであれば、まずは自社に合った法律事務所から探してみてはいかがでしょうか。

<参考>
中小企業のための弁護士報酬目安[2009年アンケート結果版]

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