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戦略と戦術の違いは?具体例やマーケティングにおけるポイントを解説
企業が成長し続けていくために、全体の方針を示す「戦略(経営戦略)」を立てることは必須です。 しかし、戦略を立てるだけでは、経営には不十分といえます。自社の強みを活かし、戦略を実現するために競合とわたりあっていくには、具体的な方法である「戦術」の策定も必要です。 戦略と戦術は、似ているようで異なります。そこで本記事では戦略と戦術の違いを解説し、事例やポイントを紹介します。
戦略と戦術・戦法の違い
「戦略」とは、企業が進むべき方向性や、求める結果を示すものです。
例えば「潜在顧客にアプローチして商品の販売数を伸ばす」、「自社のリピーターを増やして利益を上げる」などといった、大まかなゴールが戦略といえます。
一方、「戦術」とは、戦略を実現するための具体的な方法です。
例えば「自社製品のリピーターを増やす」という戦略がある場合、「それをどのように達成するか」が戦術にあたります。
「製造コストを下げた商品の値下げ」や、「広告を用いた自社のブランド価値向上」といった戦術も考えられるでしょう。
戦略を立てることで、どこをゴールにするか決まり、ブレない経営を実現できます。
そして、その戦略の実現には、戦術の策定が欠かせません。
また、「戦法」という言葉も戦術と似た意味で使われます。
戦法も、戦略をゴールに導くための具体的な手法を示す単語です。
計画した「戦術」をどのように現場で実践するかを表すことが多いため、「戦法」は「戦術」を具現化したものといえるでしょう。
なお、本記事ではあらかじめ意図的に策定する「意図的戦略」について解説しますが、戦略にはもう1つ、イレギュラーな状況の中で流動的に生まれる「創発的戦略」があります。
創発的戦略については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:創発的戦略とは?成功事例から学ぶ具体的な取り組み方について解説
ビジネスにおける戦略と戦術の具体例
どの企業も、戦略と戦術を立てて経営するものです。
とくに以下の3社は、従来の経営体制やサービスにとらわれず、革新的な戦術を生み出しています。
- 株式会社TASUKI
- 株式会社アキタフーズ
- テテマーチ株式会社
企業が実際にどのような戦略と戦術を立てているのかだけではなく、斬新な視点による戦術の例として紹介します。
株式会社TASUKIの新規事業戦略
まずご紹介するのは、「事業領域拡大により利益を伸ばす」という戦略に対し、「コンサル事業の新規展開」という戦術を用いた、株式会社TASUKI(以下、TASUKI)の事例です(注1)。
TASUKIは不動産投資サービスの開発や投資用IoTレジデンスの企画開発などを行う、不動産テックに特化した企業です。
元々は不動産投資に特化していましたが、2021年8月に対法人のDX支援サービス「TASUKI DX CONSULTING」を開始しました。
TASUKI DX CONSULTINGは、DXを用いて、企業の戦略策定から戦術の検討、実行までをフルサポートするというものです。
これまで不動産テックを専門的に扱ってきており、最先端のテクノロジーにも強いTASUKIだからこそ、スムーズに介入できた事業といえます。
株式会社アキタフーズの販売戦略
次にご紹介するのは、「限られた商材での利益拡大」という戦略を達成すべく、「現代に合った商品開発をする」戦術を用いた、株式会社アキタフーズ(以下、アキタフーズ)の事例です(注2)。
アキタフーズは、秋田県に拠点を置く卵のメーカーです。
主な商品は「きよら グルメ仕立て」など数種類の卵のみ。
2021年4月、健康への関心が高まる現代のニーズをくみ取り、「健康に良い」という付加価値を付けた商品を開発しました。
それが「からだのたまご」です。
からだのたまごは「DHA」や「EPA」を含み、血中中性脂肪を下げる機能性表示食品として認定されています。
DHA・EPAを含む卵自体は、他のメーカーからも販売されていますが、鶏に与える飼料の影響でやや魚臭いのが難点でした。
そこをアキタフーズは自社の特許技術で改善し、食べやすく、体にも良い卵を開発したのです。
さらにアキタフーズは、コンビニスイーツとのコラボレーションなどの戦術で、昭和41年から続く経営を守っています。
自社の商材と技術に、時代に合わせた商品展開という戦略を掛け合わせることで、周囲の卵との差別化を図っているといえます。
テテマーチ株式会社の成長戦略
3つ目にご紹介するのは、「事業領域を広げ、会社全体を成長させる」という戦略に対し、戦術として得意分野を生かした新事業を発足させた、テテマーチ株式会社(以下、テテマーチ)の事例です(注3)。
テテマーチはSNS運用サポートをはじめとした、企業のマーケティング支援サービスを手がけています。
2015年に設立された若い企業でありながら、これまでマーケティング支援を行った企業やブランドは700社以上で、その実績を元に、2021年8月より「ブランドプロデュース事業」を発足しました。
このブランドプロデュース事業では、ブランドの発足から戦略の策定、実際のプロモーションまでを一貫してコンサルティングを行い、テテマーチが得意とするSNSマーケティングで、最適なコミュニケーションプランを提案します。
Web広告やSNSによるプロモーションが飽和する中、情報を届けたい潜在顧客にリーチできず悩んでいる企業は多数存在します。
こうした需要に着目し、競合の少ない独創的な戦術を展開しているのがポイントです。
ビジネスで戦略や戦術を立てるポイント
戦略や戦術は、むやみに考えても意味がありません。順序だてて、現実的な方法を検討する必要があります。
そのためには以下のポイントを意識しましょう。
- 戦略から考える
- 自社の強みや立ち位置を把握する
- 目的に沿った戦術を講じ実行する
まずは戦略から考える
まずは、企業の大まかな方針となる戦略から検討することが重要です。
戦略が決まっていなければ、戦術を検討することはできません。
たとえば利益拡大という大きなゴールに対し、新たな利益はどこから得るのか検討します。
具体的には、見込み客を増やすのか、現在のユーザーから得る利益を増やすのか、それとも全く別のアプローチをするのか、などです。
戦略策定でゴールとターゲットを決めておくことで、はじめて具体的な戦術や戦法を検討できます。
自社の強みや立ち位置を把握する
戦略や戦術を検討するには、まず現状分析から始めます。
自社の強みや市場内での立ち位置を理解することで、よりリスクの少ない戦略や戦術を検討できるでしょう。
こうした分析には、3C分析やファイブフォース分析を使います。
3C分析やファイブフォース分析については、下記の記事をご覧ください。
関連記事:実践的な3C分析とは? SWOT分析との併用やテンプレートを解説関連記事:ファイブフォース(5フォース)分析とは? テンプレートから実務で活かす具体例を解説
目的に沿った戦術を講じ実行する戦術を検討する際は、あくまで戦略を達成するための手段として、目的を見失わないようにしましょう。
戦術は、戦略に沿ったものでなければいけません。戦術だけに目を向けると、ときに大きなゴールが見えなくなってしまう場合があります。
戦略と戦術の考案は企業の生き残りに不可欠
企業において、戦略と戦術はいわばゴールとその道筋にあたります。
あらかじめリスクが少なく、達成できる可能性の高い戦略と戦術を立てておくことで、着実な利益拡大がのぞめるでしょう。
引用(参考)
注1:タスキ、DXの戦略策定から実運用まで伴走型で支援する「TASUKI DX CONSULTING」サービスを提供開始 | TASUKI DX
注2:からだのたまご | 株式会社アキタフーズ
注3:テテマーチ株式会社
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