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RIZAP(ライザップ)をやってみた 社外取としての体験記
筆者は2020年6月、RIZAP(ライザップ)の社外取締役に就任した。同社のマネジメントに外部の目を生かして関わる以上、RIZAPの商品・サービスを経験しなければ始まらない。ということで、就任と同時に「ボディメイク」と呼ばれるRIZAPのサービスを開始。コロナによる自粛生活で生涯最高水準に達した筆者の体重は、現在ピーク比で▲10kgとなった。
RIZAP開始3か月で▲10kg リバウンド無し
▲左2020年6月、右2020年9月リバウンドしていない
まずは2つの写真を見ていただきたい。2つとも、プロのカメラマンによる撮影だ。左は2020年6月半ば、ある大手メディアの取材時に撮影されたもの。右は、その3か月後の9月半ば、当社(フロンティア・マネジメント)の東証一部上場記念で撮影したものだ。体重はこの3か月で約10kg減少し、ベルトの穴は2~3個縮まった。
筆者は身長183cmで、過去10年ぐらい75kg前後の体重だったが、50歳代に入ってからじりじりと上昇。コロナで自粛中の体重増もあり、2020年6月半ばには82kg近くにまで増加していた。現在は71~72kgでの維持となっている。
Frontier Eyes Onlineの読者の多くは、多忙なビジネスパーソンと思われる。私もその一人かもしれない。昼間の業務に加えて、夜の会食も毎週何回も入る。週末も仕事のメールをチェックしたりする。そういう生活スタイルを続けながら、RIZAPをやってみた。
結果にコミット 食事制限にも慣れ
結果は出ている(ようにみえる)。リバウンドも今のところ見られない。ビールやラーメンはしばらく口にしていないが、辛いとは感じなくなった。地下鉄のエスカレーターを使わず、階段を使うようになった。
この記事は、RIZAPのサービスを消費者として体験した感覚を、読者と共有する目的で執筆した。ただし、RIZAPの社外取締役に就任した筆者による体験談だ。
社外取締役ゆえ、無意識に好意的に書くこともあるだろう。十分に割り引いて読んでいただきたい。
リモートで始めたRIZAPのボディメイク
▲ファミリーマートなどでもコラボ商品が販売されている
筆者は長年、企業や産業の分析を生業としてきた。数値に基づく分析が仕事の根幹だ。とは言え、実際に体験してこそ、リアリティのある分析や報告が可能だ。
百貨店分析の際はお店に足繁く通い、ダイエーの取締役をした際は、お店の朝市で野菜や果物の販売を経験した。
この文脈から言えば、RIZAPの社外取締役に就任した際、RIZAPの「ボディメイク(BM)」サービスの体験を決めたことは自然な流れだった。
RIZAPでは、痩せることよりも、理想の身体を手に入れるという意味で「BM」という言葉が使われている。コロナウィルスの感染拡大で、本年よりRIZAPではBM事業をリモートで開始した。筆者もまずはリモートでBMを2020年6月より始めた。
RIZAPのBM手法は複雑ではない。低糖質で食事し、週に2回(1回50分)の筋トレを行うだけだ。低糖質食と筋トレは容易に思えるが、極めて禁欲的な人以外、正しく継続するのは難しい。ここをRIZAP社のサービスは刺してくる。
RIZAPで糖質制限 低糖質の食事を続ける方法
▲吉野家のライザップ牛サラダ
朝昼晩と間食。RIZAPに加入すると、アプリで担当トレーナーに食事内容を報告する。食事の名称を送ろうとしてインプットすると、その食事の糖質・タンパク質・脂質・カロリーが自動表示される。
筆者の場合、1日の糖質摂取量は50g。米で言えば、お茶碗1杯だ。卵料理、チーズ、低糖質パン、肉や魚などを主に食し、炭水化物は控える。トレーナーへの報告義務を思うと、自制的な食事スタイルに変化する。
何を食べれば、糖質を何g摂取することになるのか。2~3週間もすれば、大体自分で分かるようになる。改めてコンビニやスーパーに行くと、低糖質食の増加に気づく。ナチュラルローソンが最も豊富だが、他の大手コンビニでもある程度は購入可能だ。
ネットでも、冷凍の低糖質パンや低糖質スイーツが売られている。筆者もオフィスに自分用の小型冷蔵・冷凍庫を購入し、低糖質パンやサラダチキンを備蓄している。味の改良が必要な商品が少なくないが、1個糖質2gのパンはBM実行者には魅力的だ。
仕事柄、会食も週に複数回ある。その際は、会食の冒頭、宣言する。「RIZAP社の役員に就任したので、低糖質食をしております」と。仕事関係や家族に予め宣言することは、低糖質食を継続する上でMUSTだ。
RIZAPの筋トレは個室で、パーソナルなサポートで
▲東京・新宿のライザップ本社
コロナ自粛中ということもあり、週2回の筋トレはまずはリモートで開始した。自宅でスマホとテレビをつなげ、ジムにいるトレーナーからの指示を受けて筋トレする。最初は身体がなまっていることもあり、単なる自重での腕立て伏せやスクワットが辛い。
しかし、人間の身体は凄い。筋トレに慣れてくると、自宅での自重のリモート筋トレでは負荷が不十分となる。また、リモートでのトレーナーとの会話も隔靴掻痒の感があり、自宅での筋トレに満足できなくなる自分に気づく。
そこで、筆者は、BM開始後2か月でリモートを止め、8月後半からはリアルのトレーナーから直接指導を受けることとした。RIZAPのジムは、全て個室で1対1のトレーナーとの時間だ。コロナで他人との接触を控える現在、とても快適だ。
一般的にジムの筋トレエリアには、筋骨隆々の男性がいて、近づきがたい。
個室ならば、他人への気兼ねもない。バーベルの重りの脱着は全てトレーナーがやってくれる。バーベルやダンベルの適切な重さも毎回提案してくれる。
我々はただやるだけ。Just do it、だ。
RIZAP方式は、辛いのか 筋トレ・糖質制限について
楽な痩身はない。
RIZAP方式も楽ではない。
ただ、週に何度も走るなど有酸素運動をして、汗だくになることに比べたら楽だ。RIZAPでの筋トレで汗はかかない。50分程度の筋トレだし、十分なインターバルをとってくれるので、じんわり汗が出る程度だ。夜に筋トレする日はアルコールを摂取しない。自動的に休肝日もできた。
糖質制限が辛いという意見もある。確かに、最初の1か月は、糖質への強い欲求が出るときもあった。しかし、1か月もすると慣れる。プライベートな外食で食べ過ぎてしまう時もあるが、羽目を外さず、翌日からいつもの生活に戻れば、特に大きな問題もない。
筆者にとって最大の成果は、自分の体重減少でも、理想の身体獲得でもない。RIZAP社の役職員との共通の話題、接点の獲得だ。RIZAPのBM事業、低糖質食、トレーナーの悩み、ジムの設備の不具合など、具体的な話を共有できるようになり、RIZAPへの理解が深まった。
RIZAPの事業再構築に邁進
RIZAPの事業再構築は、緒に就いたばかりだ。
筆者自身、BM事業を実際に体験しただけに、その将来性と問題点についても、過去にRIZAPに外部から入った経営者に比べれば、承知できているつもりだ。
今後は、RIZAPの事業再構築に邁進するだけだ。
まずは隗より始めよ
改めて、企業分析したり、経営に携わったりする際、対象企業が提供する商品・サービスを実地で経験し、経営改善をそこから考えるという基本の大切さを理解することができた。やはり、「まずは隗より始めよ」だ。
それとともに、本稿で読者にRIZAPのBMサービスに挑戦していることを宣言し、それが自らにプレッシャーをかけていることも自認している。2021年も色々な目標があるが、私自身がリバウンドしないこともその目標の一つに加えることとしたい。
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