3C分析とは?基本的な考え方とメリット

3C分析は、1980年代に発表された大前研一氏のマッキンゼーアンドカンパニー時代の著作「The Mind of the Strategist」で広く知られるようになったマーケティング分析のフレームワークです。

【3C分析】
Customer(市場・顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)

上記の3つの頭文字をとって「3C」と呼ばれます。外部環境である市場と競合を分析することで、自社を取り巻く環境を客観的に把握し、自社のKSF(Key Success Factor=主要成功要因)を見つけ出すのが3C分析の目的となります。

3C分析のテンプレート

3C分析

3C分析は、上図のようにそれぞれの分析を行い進めていきます。一見、手軽に分析結果が出そうなので、3C分析はさまざまなシーンで用いられますが、正しく細かい分析を行わないと間違った結果が出ることになり、本来的に活用できている方は少ないのではないでしょうか。

次項から、3つの要素それぞれの分析のポイントを解説します。

Customer(市場・顧客)の分析方法

まずは市場と顧客の分析をおこないます。市場の動向を把握しなければ、自社の強みや弱みを正確に分析することができません。市場の分析にはマクロ分析、ミクロ分析が必要です。マクロ分析をおこなう際にはフィリップ・コトラー氏が提唱した「PEST分析(マクロ環境分析)」が有効です。

PEST分析とは

【PEST分析】
Politics(政治的要因)…法改正、政権交代など市場のルールを変化させるもの
Economy(経済的要因)…為替、金利、物価、消費動向など
Society(社会的要因)…少子高齢化、人口動向、流行、世論など
Technology(技術的要因)…技術開発、インフラ、IT活用など

これらの外部要因は、自社でコントロールはできませんが、どのような影響があるかを予測し、自社の戦略をフィットさせていくことは可能です。

一方、ミクロ分析は特定の業界における分析をするときに用いるのが一般的です。この分析する際は、マイケル・E・ポーター氏が提唱した「5フォース分析」が有効です。

5フォース分析とは

【5フォース分析】
買い手の交渉力
売り手の交渉力
新規参入者の脅威
代替品の脅威
業界内の競争

業界内は収益を奪い合う場となります。競合企業だけではなく、買い手、売り手、新規参入、代替品と5つの視点で自社の立ち位置を分析する必要があります。

このように市場と顧客の分析をおこなう際には、多角的な視点が必要になります。

Competitor(競合)の分析方法

次に競合分析をおこないます。競合分析は、現状のシェア、売上と利益、提供価値、リソース、戦略、ポジショニングなどを把握して強み、弱みを抽出します。競合分析は、結果として自社分析にも役立ちます。

重要なのは、競合の選定と特定です。例えば、牛丼チェーンの松屋の競合は、すき家と吉野家だけではありません。その提供価値である「早い」「手軽」「安い」などを考慮すると、駅前の立ち食いそば屋やハンバーガーチェーン、もしくはコンビニエンスストアも候補にあがるかもしれません。

つまり消費者から同じ商品やサービスとして比較される直接的な競合に加えて、商品やサービスが異なっていても、提供価値が同じであれば、間接的な競合も考慮することも重要です。

Company(自社)の分析方法

最後に自社の分析をおこないます。これまでおこなってきた市場と顧客、競合の分析と自社を比較するのがポイントです。よく用いられるフレームワークがSWOT分析です。

SWOT分析とは?

SWOT分析

SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)をマトリクスで分割した4象限で表します。このときそれぞれの項目に漏れがないようにしましょう。また

内部環境…自社でコントロールが可能なもの
外部環境…自社でコントロールできないもの

と定義し、自社の状態を抽出していきます。しかし、SWOT分析だけでは内部環境と外部環境の強み、弱みを表しただけであり、本質的な分析とはなりません。そのため、クロスSWOT分析をおこなう必要があります。

【クロスSWOT分析】
強みと機会(S×O)…強みをいかして機会を最大化する
強みと脅威(S×T)…強みをいかして脅威に対抗する
弱み×機会(W×O)…弱みを克服して機会を活用する
弱みの脅威(W×T)…弱みを克服して脅威に対応する

クロスSWOT分析をおこなうことで、内・外部環境における自社の戦略を浮き彫りにすることができます。自社の強みや弱みを把握するためのフレームワークに4C分析や4P分析を活用するのもいいでしょう。

3C分析単体では効果は出にくい

このように3C分析は、非常にシンプルなフレームワークですが、本質的な経営戦略にまで落とし込むには、さらに多くのフレームワークを用いながら、客観的なデータと多角的な視点も必要となります。またシンプルなゆえに結果として、3C分析を単独で用いると実現可能性が低い戦略が導き出されることもあり、普段議論している当たり前の答えに帰結することもあります。

そのため現在では3Cをもとにして発展した5C分析などのフレームワークが用いられるケースも多くなっています。

5C分析とは?

3C分析は、「市場・顧客」「自社」「競合」が分析対象ですが、現在では市場が細分化され、3Cだけでは分類できないプレーヤーやステークホルダーが増えています。そのため、3Cにプレーヤーを追加して分析するフレームワークがあります。

たとえば、「Context(社会的背景)」「Collaborator(協力者)」「Community(地域社会)」を加える手法や、「Customer(市場・顧客)」を「Consumer(消費者)」「Customer(中間顧客)」、もしくは「Customer’s Customer(顧客の顧客)」「Customer’s Competitor(顧客の競合)」に分解するなど目的に合わせて分析対象となるプレーヤーも多様になります。

【5C分析】
Customer(市場・顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)

「Context(社会的背景)」「Collaborator(協力者)」「Community(地域社会)」などのプレーヤーを追加する

より市場が複雑化している現状、自社の環境を把握するためにはより多様な分析が必要となります。そのため3C分析ではなく、自社にフィットするプレーヤーを追加して4Cもしくは5C分析をおこなうのも有効です。

明確な目的をもってフレームワークは使用する

5C分析を紹介しましたが、構成する“C”の要素は企業によって異なるでしょう。目的を明確にして、外部環境、内部環境を過不足なく把握したうえで、最適なフレームワークを用いるとKSFのヒントとなります。

時代に即した環境分析は組織にとって必要不可欠です。3C分析は便利ですが、楽をして正解を導き出せるものでもありません。また3C分析に限らず、フレームワークは思考が停止した状態で項目だけを埋めていくとまったく機能しません。他のフレームワークと併用する、プレーヤーを増やすなど適切な分析をおこなって自社の環境を整理しましょう。

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