プロダクトマーケットフィットとは?PMFが成功する指標と例を紹介

価値観や趣向、ライフスタイルが多様化する現代のビジネスにおいて、プロダクトマーケットフィット(PMF)を達成したプロダクトは欠かせません。 しかし、PMFを達成するための道筋を掴めていない方も多いのではないでしょうか。 本記事では、PMFを達成する手順と検証法、成功した実例について紹介します。

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プロダクトマーケットフィット(PMF)とは

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは、顧客のニーズを満たし、マーケットに受け入れられた状態を指します。

1990年代に当時の主要なWebブラウザだった「ネットスケープ」を手がけたマーク・アンドリーセン氏が広めた概念です。

PMFは、新規事業の立ち上げやスタートアップ企業の成功に重要だと言われています。なぜなら、PMFの達成がプロダクトの販売成績に影響を与えるからです。

PMFの状態にないプロダクトは顧客の悩みを解決できず、市場からのニーズを満たせないため、失敗に終わるケースがほとんどです。

プロブレムソリューションフィット(PSF)からPMFを導き出す方法

PMFの前提として、プロブレムソリューションフィット(PSF)の達成が必要です。PSFとは、顧客の悩みを理解し、最適な解決法を導き出した状態のことを言います。PSFに関する悩みの解決手段を定め、それを受容する市場の発見がPSFにつながります。

PMFの前に必要なPSFを達成する手順

PSFを達成するステップは下記の通りです。

  • 課題の発見
  • 解決策の想定
  • 協力者の確保
  • 顧客の購買意欲を調査

PSFにて想定される解決策は複数存在し、優劣もあります。そのため、協力者へのヒアリングやアンケートを行い、複数の中から最適な解決策を見出したいところです。

課題の発見

PSFを達成するためには、第一に顧客の悩みから課題を発見することです。

市場のニーズを満たすには、顧客が解決したいと考える課題を発見し、それを解決できるプロダクトを開発する必要があります。

ヒアリングを行うなどして、顧客が実際に抱える悩みを収集するのも課題発見のポイントです。

解決策の想定

課題の解決策を想定する場合は、顧客へのヒアリングやアンケートを実施すると良いでしょう。

また顧客が発見した課題の解決を望んでおり、想定された課題の解決策を渇望する状態であることも重要です。

課題の解決策への渇望が、プロダクトを購入する動機につながります。

協力者の確保

協力者を確保する際のポイントは、プロダクト化した商品やサービスに関連する企業や、興味を示す人を選ぶことです。

他にも事業を抱えており、すでに関わりのある顧客を持つ場合は、その企業を協力者にすることも良いでしょう。

顧客の購買意欲を調査

最後に、プロダクトが購入される価格帯を調査します。その際に、顧客の購買意欲を高める機能や利用上の問題点などをヒアリングすることも重要です。

顧客へのヒアリングで得た情報は、より市場ニーズに適したプロダクトへと改良するのに役立ちます。

PSFからPMFの状態にするための手順

PMFを目指すためには、プロダクトに対して需要のある市場を模索します。具体的には、以下の手順に従ってPMFの検証を行います。

  • MVPの市場への投入
  • 投入したMVPの市場との親和性を調査
  • PMFの検証

市場への投入からPMF検証までを確実に実施し、プロジェクトの成功につなげましょう。

MVPの市場への投入

MVP(Minimum Viable Product)は実用最小限の製品を指します。MVPを市場に投入すると、少ないリソースで顧客ニーズの調査が可能です。

最小限の製品であるため、顧客からのフィードバックや検証、改善の工程が迅速で、PDCAを効率よく回せます。

投入したMVPの市場との親和性を調査

MVPを市場へ投入した後に行われるのは、プロダクトの需要や市場との親和性についての調査です。現在は、多様な価値観やライフスタイルを持つ顧客が多いため、変化に富む市場のニーズを考慮した調査が求められます。

PMFの検証

PMF達成の検証では、プロダクトに対する顧客満足度の確認を行います。先行指標データやアンケート調査の結果を考慮して行われるのが一般的です。

プロダクトマーケットフィットを検証する一般的な方法3つ

サービスをリリースした直後にPMFが達成されるケースは多くありません。そのため、設定したKPIからPMFを検証し、プロダクトの改善に役立てることが重要です。

PMFの検証は、投入したMVPの調査データを基に、下記の方法で行います。

  • リテンションカーブ
  • NPS
  • エンゲージメント

上記の方法でPMFを検証し、良好な結果の際には、プロダクトを市場へ投入して拡大すると良いでしょう。

一方で、結果が芳しくない際は、プロダクトの改善が必要です。

リテンションカーブ

リテンションカーブは、縦軸に顧客のリテンション(継続)率、横軸に利用期間が設定されたグラフです。リテンションカーブより、顧客によるプロダクト使用期間の傾向が分かります。

プロダクト投入後の一定期間は、リテンション率は低下しますが、PMFの状態にあると、いずれグラフ数値は横ばいになります。

グラフが横ばいの状態とは、一定の顧客はプロダクトに満足していると判断できるのです。

NPS

NPS(ネットプロモータースコア)とは、プロダクトに対する顧客の信頼や愛着を測る指標です。顧客がプロダクトを友人や知人に勧める可能性を、アンケートなどで調査します。

NPSが高いほど、顧客がプロダクトに満足しており、PMFの状態にあると言えるでしょう。

関連記事:NPS®(ネットプロモータースコア)とは?顧客ロイヤルティとの違いや導入事例まで解説

エンゲージメント

エンゲージメントとは、プロダクトの利用者数を測る指標です。サービスの契約数や商品の購入数がエンゲージメントになります。

エンゲージメントが高いと、プロダクトがマーケットの需要を満たしているため、PMFの状態だと判断できます。

プロダクトマーケットフィットを複数の指標から検証する方法

新規事業者やスタートアップ企業が市場にマッチしたプロダクトを提供するために、PMFの達成を客観的に判断することが望ましいでしょう。

しかし、一般的なPMFの測定法だと、顧客の主観に依存する部分も多く、偏った検証結果になる可能性もあります。

適正な検証結果を得るためには、複数の指標で検証する方法を推奨します。複数の指標で検証すると、多角的な見方でPMFの判断を下せるでしょう。

4タイプのユーザーに関する指標から検証

新規契約(購入)や継続、解約(休眠)、復帰の顧客数が分かる場合は、それを基にPMFを検証すると良いでしょう。

各4タイプの顧客数から、継続者や利用者の増減の割合を以下の計算式に基づいて算出します。

  • Quick ratio=[新規契約(購入)数+復帰数]/休眠(解約)数
  • Gross retention rate=継続/前月のMAU
  • Net churn=[休眠(解約)数-復帰数]/前月のMAU

新規でプロダクト利用を始めた顧客だけではなく、継続の割合や休眠(解約)者数による増減などが確認可能で、複数のデータを基にPMFの達成を客観的に判断できると考えられます。

サービス利用に関する3つの指標から検証

PMFを判断する際には、次のような複数のKPIを確認すると良いでしょう。

  • 継続に関するKPI(リテンションカーブやアクティブユーザー率など)
  • 流入に関するKPI(バイラル係数など)
  • 課金に関するKPI(維持課金率など)

各指標は相互に関連しているため、1つでも条件を満たすと、PMFを達成していると判断できます。

具体的には、口コミによる拡散度合いを示すバイラル係数が高いと、顧客はプロダクトに満足していると考えられます。

顧客の満足度が高いため、継続や課金に関するKPIの好転も期待可能です。

単独のKPIで判断すると、プロダクトのPMFを見逃してしまう可能性があります。

そのため、複数のKPIを設定してPMFを判断することが大切です。

プロダクトマーケットフィットを達成して新規事業が成功した事例

PMFに達したプロダクトを市場に送り出すには、顧客要望のプロダクトへの反映が重要です。そのためにも、数字の分析以外の、顧客の意見にも耳を傾ける必要もあるでしょう。

ここでは、顧客からの依頼やヒアリング、アンケートを通してPMFの達成に成功した実例をご紹介します。

顧客からの依頼で始まった保育園支援サービス

保育業務支援システムを運営する某企業は、もともとWebシステムの企画やデザインなどの事業がメインでした。

事業を進める中、顧客からの依頼で保育園業務支援システムの開発に着手すると、顧客の依頼から課題を発見して、保育園業務支援システムの解決策を生み出しました。

システムのリリース後も、当該企業はヒアリングを重ね、システムと市場ニーズの乖離を埋め合わせた結果、保育園業務支援システムの導入施設数を大幅に拡大しました。

顧客からの依頼を行い、PMFを達成できた事例です。

100社以上にヒアリングして作られたWeb契約サービス

Web契約サービスを提供する某企業では、ヒアリングの徹底でPMFの最適化を実現しました。

Web契約サービスは、Web上での契約書へのサインを可能にするシステムです。

当該企業はWeb契約サービスを開発する前に、人材や金融、不動産などの「紙の書類を多く扱う業界」を中心に、100社以上にヒアリングを行いました。

市場への投入後は、アンケートも実施してPMFを達成するための取り組みを行ったのです。

顧客への入念なヒアリングが、PMFの達成へと結びついた事例です。

プロダクトマーケットフィットは新規事業成功のカギ

現代市場は、さまざまなプロダクトであふれています。

PMF達成までの手順を踏まずに新規事業を開始すると、プロダクトに対するニーズそのものがないことも起こり得ます。そのため、新規事業成功のためには、PMFの達成が重要です。

プロダクトの需要を確認するには、PMFの検証を丁寧に行うと良いでしょう。

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