ライブコマースとは?見込顧客とのコミュニケーションを通し購買を促進

新型コロナウイルス感染症の拡大などに伴い、販売促進手段として、「ライブコマース」が注目されています。この新たなビジネス手法ライブコマースとは、一体どのようなものなのでしょうか。その手法や注目背景、メリットなどについて詳しく見ていきましょう。

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ライブコマースとは

ライブコマースとは、「ライブ配信」と「Eコマース(電子商取引)」を掛け合わせた造語のこと。主に動画共有サイトやSNSのライブ配信機能を活用し、商品の購入などを促すマーケティング手法を意味します。企業が顧客とインターネット上で対面し、商品やサービスの説明をリアルタイムで行うため、”オンラインの実演販売”と呼ばれるケースもみられます。

ライブコマースでは、商品やサービスの説明などを行う主体が必ずしも企業であるとは限りません。昨今は、企業がインフルエンサーにこれらを依頼し販売促進を行うパターン。また、企業とインフルエンサーが共同で商品説明などを行うパターンなど、さまざまな手法が登場しています。

経済産業省が発表した「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、ライブコマースは、新たな商品の販売方法として 2017 年頃から注目され始め、2018 年以降、そのトレンドが加速。元々、中国で拡大してきた手法であると報告されています。

現在、ライブコマースで扱われる商材は、アパレルや化粧品、食品、家電、玩具といった物理的な商品だけではなく、フィットネスサービスや旅行商品、アプリケーションなど多岐に渡ります。

ライブコマースが注目される背景

ライブコマースが注目される背景の一つには、ライブ配信機能の強化によって、企業と顧客がリアルタイムでコミュニケーションできるようになったことが挙げられます。

現在、YouTubeやInstagram、Twitterなど、ライブ配信を行うことができるプラットフォームが増えています。フォロワーらを対象に配信を行い、そこでさまざまなコミュニケーションが可能に。アカウントさえ作れば、誰もが不特定多数の人物と繋がれる時代になりました。

元々は、個人的な意見などを発信する手段として、一般ユーザーがライブ配信を活用するケースが多く見られました。しかし、不特定多数の人と繋がり、情報を発信できるという魅力から、次々に企業が着目。ビジネス目的で活用するケースが徐々に増えています。

また、ECサイトで商材を発信するだけではなく、顧客とのリアルなコミュニケーションを通してプロモーションを実施することの重要性が見直されていることも、ライブコマースが注目される理由の一つです。

加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大も、企業がライブコマースに注目する背景の一つ。対面でプロモーション活動を実施することが難しい昨今、オンラインで販売促進が図れるライブコマースは、企業にとって非常に重要な手段です。

ライブコマースを行うメリット

ライブコマースが企業にもたらすメリットは配信プラットフォームによって少し異なりますが、基本的には以下の三つが挙げられます。

購買に関する判断材料をリアルタイムで提供できる
視聴者から寄せられる質問にリアルタイムで答えることができるので、見込顧客は商材に関する多くの情報を速やかに得ることが可能です。使用方法や価格、販売時期はもちろんのこと、ホームページでは見ることができない商品のディティールや、実際に使用した感想、使用に伴う危険性などを伝えることができるため、購買意欲の促進につながるでしょう。
コミュニケーションを行う上で、物理的な空間を確保する必要がない
顧客とのコミュニケーションをオンライン上で行うため、ライブコマースには物理的な空間の制限がありません。視聴者の数が膨大に増えたとしても、インターネットの回線に負担が掛かるのみ。対面のコミュニケーションを減らすことができるので、新型コロナウイルス感染症対策としても非常に有効です。基本的にPCやスマートフォン、インターネット回線があれば、どこでもライブコマースを実行することが可能です。
プラットフォーム上で見込顧客の分析が可能に
一部のライブ配信プラットフォームには、視聴者の数や性別、住所、アクセス回数などを分析できる機能が備わっています。基本的に自社ホームページの解析などでは、他のアナリティクスツールを利活用する必要があります。しかし、YouTubeをはじめとする一部のプラットフォームにはこれらの機能が搭載されているため、他のツールを導入する必要がありません。

ライブコマースのデメリット

企業がライブ配信でアプローチできる見込顧客は、基本的にアカウントのフォロワー(チャンネル登録者など)がメインです。したがって、自社のフォロワーがそもそも少ないケースでは、配信を実施したとしても、多くの見込顧客にアプローチできない可能性があります。

さらに、インフルエンサーを活用したライブコマースについては注意が必要です。例えば、インフルエンサーがプロモーションであることを明示せず、自身のアカウント(チャンネル)で配信するケース。最悪の場合、ステルス・マーケティングとして視聴者に認識され、インフルエンサーと企業双方の信用が失墜する可能性があるでしょう。

また、インフルエンサーがフォロワー(見込顧客)とリアルタイムでコミュニケーションを行うため、企業は配信前に内容をチェックすることはできません。インフルエンサーを活用したライブコマースで企業は、細心の注意を払う必要があるでしょう。

ライブコマースの手法やポイントについて

ここでは、ライブコマースを成功に導くためのポイントやノウハウについてそれぞれ解説していきます。

視聴者のコメントにはなるべく対応する
ライブ配信中にコメントを行う視聴者は、少なからず商材に興味関心がある見込顧客です。一方的に商材の説明を進めるのではなく、常に顧客が前にいることを想像し、丁寧な対応を心掛けましょう。コミュニケーションが乏しいライブ配信は、撮り溜めた動画の配信と何ら変わりありません。企業と見込顧客のエンゲージメントを高めるにも、なるべく全ての質問に答えてください。
購入ページなどへの導線を作る
ライブ配信の視聴者が速やかに商品紹介ページや購入ページに辿り着けるよう、配信プラットフォームの概要欄などには、ECのサイトのURLなどを必ず添付しましょう。
商材と親和性の高いインフルエンサーを活用する
インフルエンサーを活用するライブコマースでは、商材と親和性の高いインフルエンサーを採用し、なるべくインフルエンサーの意向に沿った配信を心掛けます。インフルエンサーのフォロワー(チャンネル登録者)は、いわば配信者のファン。普段の配信内容と紹介内容があまりにもかけ離れていると、その商材はもちろん視聴者に刺さりません。配信者にとってもまた、フォロワーを減らす要因にもなるため、配信内容や方法については双方のコンセンサスが重要です。
適切な配信のタイミングを見極める
商材によって、ライブ配信の適切なタイミングは異なります。中高生向けの商品は学校が終わる午後4~5時頃に、サラリーマン向けの商品は仕事が終わる午後6~8時頃に配信時間を設定するなどして、最も多くの視聴者が集まる時間帯を社内で分析してください。

最新のビジネス事情については当社フロンティア・マネジメントに相談を

ライブコマースに関する理解は深まりましたでしょうか。フロンティア・マネジメント株式会社(FMI)では、最新のビジネスノウハウやプロセスに関して、経営のスペシャリスト集団がきめ細かに顧客をサポート。オウンドメディアやメールマガジンでは、お客様の悩みや課題の解決を導く、さまざまな情報を発信しています。

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