マーチャンダイジングとは

「マーチャンダイジング」とは、消費者ニーズに応じて「①適正な商品を②適正な場所で ③適正な時期に④適正な数量を⑤適正な価格で」提供するための活動です。
これら5つの要素を、「5つの適正」と呼びます。

5つの適正は全て「顧客目線」で構成されています。

それぞれの要素を意識していくことで、商品を無駄なく効率的に販売・管理できます。

例えば、天候と販売量の相関関係を考慮して生産管理・在庫管理を行うことや、枝豆とビール、牛肉と焼き肉のタレなど、異なる種類の商品を「関連するもの」として同じ売り場に陳列し、売上アップを狙うこともマーチャンダイジングになります。

インストアマーチャンダイジングの意味とは

インストアマーチャンダイジングは、販売促進を目的として、マーチャンダイジングの中でも店舗に焦点を当てた概念です。

言い換えれば、「店頭や店内での商品の陳列と品揃えの構成を科学的、統計的に検討し、収益を最も高くするための活動」です。

実店舗を訪れた消費者の目を引き、購入に繋がる導線を考えて実店舗での販売を促進するために必要となっています。

インストアマーチャンダイジングには、商品の露出をメインとした「インストアプロモーション」と、店内の導線・陳列をメインとした「スペースマネジメント」の2つの手法があります。

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「インストアプロモーション」と「スペースマネジメント」についてのポイントや事例は後述します。

インストアプロモーションは、実演販売やPOP広告、特売などを行うプロモーションを指します。

スペースマネジメントは、店舗内のどこにどの商品を配置するか、顧客をどのように誘導するか(動線)を考える手法です。

インストアマーチャンダイジングの理解には、両者の理解が欠かせません。

インストアプロモーションを理解するためのポイント・事例

インストアプロモーション
インストアプロモーションは、2つの種類に分かれます。

価格の操作によって商品をプロモーションする「価格主導型」と、商品の効用や利便性など、商品そのものの魅力を伝えることで消費者ニーズを刺激する「非価格主導型」です。

価格主導型のインストアプロモーションの例として、「バンドル販売」「増量販売」が挙げられます。

また、非価格主導型のインストアプロモーションとしては、「実演販売」やPOP広告、チラシのほか、「デジタルサイネージ」があります。

価格主導型

価格主導型のインストアプロモーションは、売場で商品の価格を操作することで、消費者の購買意欲をかき立てます。

最も一般的な方法として、商品の値引きや特売などが挙げられます。

値段を下げることで相対的に商品の価値を上げ、購入を促す手法です。

他にも「2つ買うともう1つついてくる」「1つ400円の商品を3つ買うと1,000円」など、複数の商品をまとめて購入したときに割引する「バンドル販売」や、「5枚入りのマスクが今だけ6枚に増量中」などといった「増量販売」も、価格主導型のインストアプロモーションに含まれます。

価格主導型のインストアプロモーションの事例として、ドミノピザで実施をされている、店舗でピザを購入した方限定で「持ち帰りは1枚目から半額」を行うプロモーションがあります。

価格操作は一時的な売上の増加に効果的ですが、変動した価格が一般化すると需要の先食いや商品イメージの低下につながる可能性があるため、長期的なプロモーションには向いておりません。

そのため、新商品のPRなどに有効な手法です。

非価格主導型

非価格主導型のインストアプロモーションは、商品の価値を伝えることによって販売促進を目指す手法です。

非価格型のプロモーションで一般的な手法は、実演販売です。

食品であれば試食を実施し、デバイスであれば操作を実演しながら商品の特徴を説明します。

実演販売をすることで、実際に食べてみないと分からない食品や、文字だけでは商品の特徴が伝えにくい商品の魅力を伝えられます。

また、実演販売の他にも、POP広告やチラシで商品の魅力を伝える方法、ディスプレイで動画を使用し商品の魅力を紹介する「デジタルサイネージ」を使う方法も非価格主導型のインストアプロモーションです。

非価格主導型のインストアプロモーションのメリットは、サービスや商品を消費者に体験してもらうことで、購入前の不安を緩和したり、購入後の利用イメージを消費者に持ってもらったりすることで販売促進になります。

実演販売やPOP広告で消費者に体験を行ってもらうため、商品の理解や自社ブランドの認知につながり、長期的な顧客となる可能性が高まります。

スペースマネジメントを理解するためのポイント・事例

スペースマネジメントは、「フロアマネジメント」と「シェルフマネジメント」の2つに手法が分かれます。

スペースマネジメント

フロアマネジメントは、主に消費者の動線を意識し商品を陳列する方法です。

シェルフマネジメントは、棚割りを意識した商品の割り振りを指します。

フロアマネジメント

フロアマネジメントでは、消費者の動線を最適化することで、購買行動を促進します。

一般的に、店内の歩行距離が長ければ売上は上がると言われています。店内の歩行距離が伸びることで、目にする商品やPOPの量が増え、予定していなかった買い物をしてもらいやすくなるためです。

そのため、フロアマネジメントでは消費者に人気の商品に少し遠回りになるように、棚やワゴンを使って消費者の動線を長くするレイアウトにします。

また、消費者の購買パターンをもとに店舗レイアウトを考えることもあります。

スーパーマーケットを例に見てみましょう。たとえば冷凍食品の売場は、購入経路の後半にあることが多いのではないでしょうか。

なぜなら、店内に入ってすぐに冷凍食品売場があっても、レジで会計を済ませるまでに溶けてしまう可能性があり、なかなか手に取ってもらえないからです。

また、生鮮食品を入口付近に配置する店舗も多くなっています。

生鮮食品の購入を目的にスーパーマーケットに訪れる人も多く、その需要を満たせるようにするためです。

実際に、顧客が商品を選ぶ楽しさや商品の鮮度をアピールすることで、購買行動を促している店もあります。

神奈川県川崎市にある食品専門店の「Una casita(おなかすいた) オーパ新百合丘店」では、野菜の陳列方法にこだわることで、売上を伸ばしています。

たとえば、小松菜とほうれん草のように色の似た野菜の間に大根を並べて色味にメリハリをつけることや、野菜を本棚のような棚に並べること、ブドウを木になっているかのように吊り下げるなどの施策が行われています。

商品の探しやすさと、見ていて楽しい斬新なレイアウトの組み合わせで、世代を問わず人気の食品専門店となったのです。

シェルフマネジメント

シェルフマネジメントとは、商品の棚割りのことです。

たとえば、大人をターゲットにしたお菓子を陳列する場合、大人の目の高さあたりに置くことで、消費者の視界に入ることが多く、手に取ってもらいやすくなります。

購入者の視界に入りやすい範囲を、「ゴールデンライン(ゴールデンゾーン)」と呼びます。シェルフマネジメントを考える際は、ゴールデンラインを意識することで、売上増加につなげることができます。

ゴールデンラインは、男女や年齢によって変わるので、販売商品のターゲットごとに意識し、棚割りを考えましょう。

実生活に関連するインストアマーチャンダイジング

今日ではネットショッピングなどが進み、ECサイトで簡単に商品の比較ができる時代になりました。

しかしそんな時代だからこそ、店舗を訪れた消費者の購買意欲を掻き立てるインストアマーチャンダイジングが重要になっています。

インストアマーチャンダイジングは、スーパーや雑貨屋など身近な場所で実践されていることも多く、勉強材料は豊富にあります。他店舗の売場も参考にしながら、クリエイティブな発想で売場を作っていくことが重要です。

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