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インサイドセールスで営業効率化!フィールドセールスとの違いやメリットなど
インサイドセールスとは、電話やメールなどでのコミュニケーションを通して見込顧客のニーズを育てていく営業スタイルです。もともとアメリカで生まれた営業手法ですが、近年は日本でも注目されています。フィールドセールス主体の営業活動からインサイドセールスとの併用へシフトする企業が増えています。 今回はインサイドセールスについて、導入するメリットや考えられるデメリット、成功させるためのポイントなどを解説していきます。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは主に電話やメールなどで営業活動をおこなうスタイル、また職種です。
「電話で営業」と言うと、いわゆる「テレアポ」をイメージするかもしれませんが、インサイドセールスとテレアポは役割が異なります。
一般的に、インサイドセールスは以下のような役割を持つとされています。
- データベースをもとに見込顧客と電話やメールでコミュニケーションを図り、顧客の見込み度合いを把握する(リードスコアリング)。
- 見込顧客のなかから成約の可能性が高そうな顧客を見極め、フィールドセールスにパスする。
- 成約の可能性が低そうな顧客は、成約の可能性が高まるまで有益な情報提供を続け、関心・ニーズを育てていく(リードナーチャリング)。「そろそろ提案したら受注できそうだ」という状態になったら、フィールドセールスにパスする。
フィールドセールスとの違い
フィールドセールスは基本的に客先に訪問して商談をおこない、クロージング(契約締結)することをミッションとしています。
一方、インサイドセールスは基本的に電話やメール、チャットやビデオ会議などで見込顧客とコミュニケーションを図ることを主業務としており、見込顧客のニーズを育てて商談化の可能性を高め、フィールドセールスへの橋渡しをミッションとしています。
インサイドセールスは、マーケティングフェーズから営業フェーズの起点までを担っているため、職種的にはマーケティングと営業の中間のような立ち位置だと言えるでしょう。
インサイドセールスが求められている理由
従来から、日本企業の営業活動と言えばフィールドセールスが常識でした。
しかし、人材不足に悩まされる企業が増加する近年、フィールドセールスの課題が浮き彫りになっています。
フィールドセールスによる営業活動は多くの人材を要するうえ、1日に訪問できる顧客数にも限りがあるため、効率の悪さは否めません。
株式会社インターパークによる全国の営業職を対象にした調査では、交通費・宿泊費などの営業経費に年間12万円以上かかっている割合が62%もありました。
また、70%もの営業職が年間360時間以上営業に伴う移動時間に費やしています。[注1]
このように、多くの企業において営業の効率化が喫緊の課題となっています。
その打開策として注目されるようになったのがインサイドセールスです。
テクノロジーの進化によってコミュニケーション手段が多彩になり、ビジネスのスピード感は大きく加速しました。
フィールドセールスが時間をかけて移動・出張・訪問しなくても、顧客と効果的なコミュニケーションを図れるようになり、地理的・時間的な制約も解消されつつあります。
「訪問しないと失礼」と考える日本的なビジネスマナーも変わりつつあります。
特に2020年はコロナショックがあり、電話やメールで済むのであれば訪問しないほうが相手企業にも喜ばれるといった変化が見られるようになりました。
このような背景から、新しい営業手法としてインサイドセールスに期待が寄せられているのです。
インサイドセールスを導入するメリット・デメリット
一般的に言われる、インサイドセールス導入によるメリット・デメリットは以下のとおりです。
インサイドセールスのメリット
営業活動の効率化
従来のフィールドセールスは、訪問・商談の片手間に見込顧客にアプローチしていたのが実情です。
当然、1日にアプローチできる見込顧客の数には限界があり、営業活動も非効率になりがちでした。
インサイドセールスを導入することで圧倒的に多くの見込顧客にアプローチできるようになるほか、フィールドセールスは商談・クロージングに専念できるようになります。
結果として、営業組織全体の効率化につながります。
成約率の向上
従来の営業スタイルでは、フィールドセールスは成約の可能性が低い見込顧客も含め、「手当り次第」にアプローチしていました。
その結果、成約の可能性が高い顧客への対応がおろそかになったり、逆に成約の可能性が低い顧客へ不要なアプローチをしたりするなど、非効率な営業活動が数多くありました。
インサイドセールスの導入によって精度の高い見込管理ができるようになれば、フィールドセールスはニーズが顕在化した見込顧客との商談に力を注ぐことができます。
「数撃てば当たる」の戦術から脱却でき、成約率の向上が見えてくるはずです。
属人化の防止
従来は、営業担当が「見込顧客のリスト管理 → テレアポで商談を設定 → 訪問して提案 → クロージング → 既存顧客のフォロー」という一連の業務を一手に引き受けるのが通常でした。
すべてのプロセスを一人が担っていると顧客との関係構築が属人化し、営業担当の異動・転職によって顧客との関係が不安定になってしまいます。
インサイドセールスが機能し、社内で顧客情報が正確に共有されることで、営業の属人化による顧客との関係悪化を防止できます。
インサイドセールスのデメリット・注意点
正確な情報共有が必須
インサイドセールスは電話やメールで、見込顧客とコミュニケーションを重ねていきます。
コミュニケーションの内容・履歴は、実際に商談をおこなうフィールドセールスと正確に共有しておかなければなりません。
情報共有がルーズになると、せっかくの商談も成約につながりにくくなってしまいます。
顔が見えないがゆえのハンデ
フィールドセールスは目の前に相手がいるので、細かい表情や反応の変化を見ながら臨機応変に対応を変えていけます。
一方、インサイドセールスは目の前に相手がいないため、表情から理解度や関心度を推し量るのが困難です。
加えて、声や文章でのやり取りがメインになるため、信頼を獲得するためのハードルも高くなります。
インサイドセールスを成功させるためのポイント
それでは、インサイドセールスを取り入れ、活用するためにはどのような点に気をつけなければならないのでしょうか。
インサイドセールスを成功させるためのポイントを3つ解説します。
ポイント1. フィールドセールスとの連携強化
相手のことを深く理解していなければ、有意義な商談にはなり得ません。
成約率を上げるには、インサイドセールスが見込顧客とのコミュニケーション履歴を、事細かにフィールドセールスと共有することが大切です。
ポイント2. マーケティング部門との連携強化
マーケティング部門は単純にリードの数を求めるだけでなく、どのようなリードを獲得するかという点も重要です。リードの質がリードスコアリングに影響を及ぼします。
インサイドセールスはマーケティング部門との連携を強化してリードの質を高めることが大切です。それにより、その後の営業活動をより精密なものにできるはずです。
ポイント3. ツール・システムの活用
インサイドセールスの業務の肝になるのが、見込顧客とのコミュニケーションから得た情報を正確に記録・分析し、次に起こすべきアクションを決めることです。
この業務に役立つのが「SFA(営業支援ツール)」と呼ばれるシステム。
企業によっては、SFA以外にも「MA(マーケティングオートメーション)」や「CRM(顧客管理システム)」といったシステムを活用したほうが効果的なケースもあります。
また、最近ではビデオ会議やオンライン営業のツールも登場しています。システム・ツールの力を借りることで、さらなる業務効率化を推進できるでしょう。
営業の効率化に欠かせないインサイドセールス
人手不足が深刻化するビジネスシーンにおいて、人海戦術のようなフィールドセールスは近い将来、手詰まりを迎えるはずです。
インサイドセールスは従来の営業の無駄を省き、限られた人材で効率よく成果をあげることができる手法として大きな可能性を秘めています。
すでに一部の企業ではインサイドセールスの導入がはじまっていますが、今後は追随する営業組織が増えていくでしょう。
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<参考>
[注1]【インサイドセールスに関する調査】外出自粛の影響でインサイドセールスを導入した営業職のうち、約90%はコロナウィルス収束後もインサイドセールス継続意向。
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