ハロー効果とは?人の印象や評価は流されやすい

ハロー効果とは、ものごとに対する印象や評価が、それとは関係のない特徴に左右されて偏ってしまう心理現象です。

たとえば、身なりを整えていて外見の良い人をみて、「賢くて誠実そう」という印象を受けることがあります。

逆も然りで、身なりのだらしない人をみると「あまり賢くなさそう」という印象を受ける傾向にあります。

しかし、実際は人の外見と頭の良さの相関関係はほとんどありません。

このように、必ずしも相関関係や因果関係がない場合であっても、目立った特徴が他の要素にも影響を与えてしまうのがハロー効果の特徴です。

その特徴が優れている場合は「ポジティブハロー効果」といい、他の要素に良い影響を与えます。

反対にその特徴が劣っている場合は「ネガティブハロー効果」と呼ばれ、他の要素への悪影響となります。

つまり、ハロー効果による印象や評価の変化には、良くなるか悪くなるかの二面性があることを覚えておきましょう。

なお、ハローは挨拶の「hello」ではなく、宗教画などにみられる「後光(halo)」を意味しています。

後光は神仏やキリストなどの崇拝対象を後方から照らす光のことで、対象を神聖で優れているようにみせる効果があります。

つまり、「目立った特徴」が後光のようにみる者の印象を変えることからハロー効果と呼ばれています。

ハロー効果がビジネスのどの場面で役に立つ?

ハロー効果は人の印象や評価が絡むものごと全般に生じる心理現象のため、応用できる範囲は広域に渡ります。

そこで、アクティブハロー効果を利用しつつ、ネガティブハロー効果を回避するように立ち回ることができれば、ものごとを有利に進められるでしょう。

そのため、ハロー効果はビジネスの世界でも一考に値する要素だといえます。

では、どのようなビジネスシーンでハロー効果が役に立つでしょうか。

主に考えられるのは次のふたつです。

  • マーケティング・広告
  • 採用活動

これらふたつは人の印象や評価との結びつきがとくに重要となります。

マーケティング・広告は、やり方次第で企業や商品のイメージが変化するため、それを評価する消費者の購買行動にも変化が起こ得るといえるでしょう。

つまり、ポジティブハロー効果によって消費者の印象をよくすることができれば、企業のイメージアップや商品の売れ行きに直結します。

一方、採用活動における人と人が対面する面接試験などでは、仮に画一的な採用基準があったとしても、応募者のイメージが採用担当者の意思決定に影響する可能性は否定できません。

つまり、ハロー効果について理解したうえで採用基準の裁定や採用活動に臨めば、バイアスをできるだけ回避して優れた人材を登用できる可能性が高まります。

マーケティング・広告でハロー効果を活用する方法

ではまず、マーケティング・広告の分野でハロー効果を効果的に活用する具体的な方法をご紹介します。

最大のポイントは、「一目で分かるポジティブな特徴」を増やすことです。
方法は主に3つあるため、以下に解説します。

影響力のある人物を広告に起用する

宣伝したい商品の広告には、その商品イメージに合った著名人を起用すると効果的です。

広告のイメージキャラクターとなる著名人が商品を紹介しているとき、その人のイメージに影響されて商品の評価が高くなる効果が期待できます。

たとえば、魅力的な美貌に定評のある有名な女優を化粧品の広告に起用することで、「あの美しいモデルのようになれる化粧品かも」と考えるユーザーの購買行動が期待できます。

実在の著名人でなくとも、その商品イメージに合っていればアニメや漫画などの版権キャラクターを起用するのも有効です。

ただし、起用した著名人が不祥事を起こしたときには、商品イメージに悪い印象が付きやすいため、リスクがある点には留意しておきましょう。

3Bの要素を広告に取り入れる

ハロー効果を促す手段のひとつとして、インターネットのバナー広告やチラシ広告などに「3B」を取り入れることも挙げられます。
「3B」とは、「Beauty(美しい人物)」「Baby(赤ちゃん)」「Beast(動物)」の頭文字を表し、これらを的確に使うことで商品・サービスのイメージアップ効果が期待できます。

「Beauty」は化粧品や美容整形、美容室など外見に関する商品・サービスの広告に多くみられ、世間的に外見が良いとされる人物を起用します。

「Baby」は文字通り赤ちゃんを起用し、ベビー用品や家電、保険商品などの家族向けの広告に起用することが一般的です。

「Beast」はコミカルさや癒しなど、みる人の警戒心を解くような印象を与えやすく、多様な広告で起用されます。

セレクション受賞歴や数値データなどの目を引く情報を取り入れる

セレクション受賞歴や科学的な成分の含有量などを広告に取り入れることで、消費者の信用を得るという手法もあります。
たとえばお菓子やワインなどの商品では、毎年開催されるセレクションで金賞や最優秀賞などの受賞歴をアピールすることで、今まで購入したことがなかったとしても、「金賞をとったのなら美味しいのだろう」という印象を与えることが可能です。

また、サプリメントや美容グッズなど、消費者が一定の効果を期待するような商品の場合、具体的な数値データで効果を表現することで、商品の印象が良くなります。

ただし、受賞歴や数値データは合理的な根拠を示すものでなくてはならないため、裏付けがある資料の提出を消費者庁に提出することになります。

これらに対して虚偽の疑いがある場合には、景品表示法に違反するおそれがあるため、情報の取り扱いには注意しましょう。

採用活動でハロー効果を活用する方法

企業の採用活動でハロー効果を活用する目的は、「採用面接時のバイアスを撤廃し、本当にその企業に必要な人材を登用すること」です。

まずは、生じやすいバイアスについてあらかじめ理解しておきましょう。
たとえば、新卒採用では出身大学、中途採用では出身企業など、応募者の経歴がバイアスを生むケースがあります。
経歴と自社で必要とされる能力は必ずしも紐づくとは限りません。

また、取得難易度の高い資格を応募者が保有していたとしても、実務経験がなかったり、長期間のブランクがあると即戦力にならないケースもあります。

さらに、採用担当者が応募者の自己PRからその人の良い面ばかりをみて、それを確かめるために都合の良い情報だけを集めてしまう「確証バイアス」という状態も陥りやすく、注意すべきです。

こうしたバイアスに対して有効なのが、「構造化面接」です。

構造化面接は、グーグル社が採用したことで著名となった採用手法で、応募者全員に一貫して同じ質問をし、明確な基準に従って回答を評価する制度です。

質問に対する回答を誰が評価しても同じ結果となるようにプロセスを標準化し、面接者に一定のトレーニングを施すことで、上記のバイアスを限りなくゼロにした状態での採用活動が期待できます。

ハロー効果はリスクを制御して適切に活用しよう

ハロー効果には、目立った特徴にスポットを当てることで「ものごとの本質をくらませる」という側面があることを忘れてはなりません。
しかしこのリスクを適切に制御すれば、マーケティングでの消費者の購買行動促進や、採用活動での公平な判断による人材登用といったビジネスを有利に進めるためのリターンが得られます。

ポジティブハロー効果は誇大表現にならないように利用し、ネガティブハロー効果は他の良い点を隠さないように回避することを心がけましょう。

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