フラッシュマーケティングとは?

フラッシュマーケティングとは、短期間でクーポンや割引などを実施し、集客を図るマーケティング手法です。

人間は利得と損失を比較した時、損失をより重大だと感じる習性があります。これを行動経済学では「損失回避性」と言います。フラッシュマーケティングは短期間という制限を設けて消費者の射幸心を煽ることで、「この機会を逃したら定価で買うことになる」という「損失」に目を向けさせ、集客につなげます。

フラッシュマーケティングのの種類

フラッシュクーポンには2つの種類があります。

共同購入型クーポン型

特定の時間内に一定数が揃えば、購入者は大幅な割引で利用することができる手法です。例えば「3日以内の購入希望者が1000名に達せば50%オフになるクーポンを提供」というキャンペーンが挙げられます。

ショッピングモール型

特定の時間帯に、大幅に割り引かれた商品を販売する手法です。この手法は例えば「会員限定で21時以降は70%セールで販売」というように会員制のサービスが多い傾向があります。近年はECサイトによる販売が増加してきており、時流に沿った方法だと言えるでしょう。

フラッシュマーケティングのメリット

次に、フラッシュマーケティングのメリットについて説明します。

集客の即効性

前述のように、開催期間が短いため消費者は素早い意思決定が求められ、購入する判断も早くなります。

潜在顧客の誘致

フラッシュマーケティングは商品・サービスを利用したいと考えているが、通常時では購入を検討していなかった潜在的な顧客のタッチポイントとしても有効です。ここから継続的な顧客となる可能性があります。

余剰在庫の削減

在庫は存在するだけで負債となります。フラッシュマーケティングによって定価では売り切れなかった商品も「これだけ安くなっているから買ってみよう」と考えてもらい、購入してもらえる可能性もあります。

フラッシュマーケティングのデメリット

フラッシュマーケティングには以下のデメリットも存在します。

ブランド力低下の可能性

例えば世界的に有名なファッションブランドであるGUCCIやLouis Vuittonなどは値下げをしないことで有名です。モノによっては年が経つにつれ、買ったときの値段より、高くなる商品もあります。これはブランド力が影響していると考えられます。

対して価格が安い商品はブランド力が損なわれ、購入者が減少していく傾向があります。そのため、ブランドイメージ低下の可能性も考慮する必要があるのです。

トラブルの発生

セールやキャンペーンなどの乱発によって商品・サービスの品質が低下するケースも考えられます。品質低下は上記のブランド力低下にとどまらず、トラブルの原因にもなります。例として以下が挙げられます。

  • 配送の遅延
  • 景品表示法の抵触
  • 過剰受注

実際、フラッシュマーケティングの先駆けである米・グルーポン社の日本法人であるグルーポン・ジャパン社は過剰受注によるトラブルにより信頼を失い、撤退を余儀なくされています。

まとめ

今回紹介したフラッシュマーケティングは短期的なメリットがある一方、長期的な視点ではデメリットが顕在化する手法だと言えるでしょう。しかしこの手法によって成功している企業も存在しており、うまく使いこなすことが必要です。

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