ユニコーン企業3社のトップが自社の強みを詳しく紹介

写真説明 左上・櫻井崇之氏 右上・増山壽一氏 下・那小川氏(当日の画面より)

今回は、『中国×ロボットスタートアップ』をテーマとし、そのテーマに即した中国のユニコーン企業候補と目される下記の3社が紹介された。


・ROKAE (工業用軽量ロボットアームの開発・生産・販売)
・Standard Robots(倉庫・工場向けAMR(自立走行運搬ロボット)の開発・
 生産・販売)
・Seizet Technology(画像認識によるピースピッキングロボットアームシステ
 ムの開発・販売)

ファシリテーターは、Zuvaの代表取締役である櫻井崇之氏をはじめ、ゲストとして、過去に自らスタートアップを立ち上げ多額の資金調達を実施し、現在では日中のベンチャービジネス関連コンサルタントとしても活躍している那小川(NaXiaochuan、Zuva中国事業首席顧問)氏と、過去に経済産業省にて30年以上ベンチャーに関連する支援政策を手掛けてきた増山壽一氏の、合計3名で進行された。

●Zuva詳細
●イベントについて

オンラインイベントにおける工夫

本イベントでは、臨場感のある企業紹介を行うため、各対象企業のCEOに対して事前インタビューを実施しており、本イベント内ではそのインタビュー動画が流された。インタビューの中では、各企業の株主構成などの会社概要、従資金調達額等の会社規模、経営陣の経歴をはじめ、製品ラインナップ及びその特徴、販売実績などが紹介された。
インタビューは中国語で実施されていたが、動画内では日本語翻訳されており、日本人参加者も理解できるよう工夫がなされていた。
当初、対象企業の取り扱い製品がロボットということで、導入場面や活用イメージが湧きづらいことを懸念していた。しかし、インタビュー動画とは別に現地で撮影された独自の製品紹介動画も用意されており、動画と並行して、製品の特徴やどの産業・メーカーで実際に導入されているかなどの補足説明があり、各対象企業に対する理解不足がなくイベントに参加することができた。

また、上記の情報に加え、各企業における業界動向や最先端技術の応用例、さらに中国スタートアップ市場の変遷などの鮮度の高い情報が、那氏により分かりやすく解説された。
特に、日本企業が保有する技術との比較をしながら対象企業の解説をする場面もあり、非常にリスナーフレンドリーな説明が展開された印象だ。

尚、イベントの最後にはQ&Aセッションの時間もあり、各参加者から様々な質問が投稿され、個々人の疑問に答える時間が設けられた。ちなみに参加者からの質問はイベント中に気軽に投稿することができ(匿名可)、それをリアルタイムで回答してもらえる仕組みになっている。

筆者としての感想

筆者が感じたことは、


・中国スタートアップ市場の動向から最先端技術に関するリアルタイムな情報を
 得ることができる
・質問をその場で回答して貰えるため個人のニーズを満たしやすいこと
・他の参加者の質問およびその回答を聴いていると、イベントに参加する方々
 (事業会社の経営企画部門の方が多いと推察)がどのような視点でユニコーン
 企業を見ているのか、何を気にしているのかという点が分かること

以上3点が、魅力的であると感じた。

最大の魅力として感じたのは、単なるスタートアップとのミートアップイベントに終始せず、ファシリテーターの方々が持つスタートアップに関する知識・イベントテーマに関連した最新情報や、現地で実感することでしか取得し得ないスタートアップ市場の現状・今後の展望などを聴くことができる点だ。
本イベントは、今回も今後も無料で参加することができるが、筆者としてはお金を払ってでも取得したい情報を聴くことができ、得をした気分である。出資・提携を検討するスタートアップを探すという目的だけではなく、スタートアップ市場に関する鮮度の高い情報をキャッチアップするという目的でも本イベントは利用する価値がある。
担当する役職に関わらず幅広いビジネスパーソンの方々に、気軽に参加してみて欲しいと思うイベントであった。

中国から見た日本市場 ~ブランド力、市場機会は魅力である一方、高い言語の壁

参加者からの質問は、各対象企業の今後の意向(IPO、或いは企業売却等)や中国から見える日本市場の魅力と参入障壁、企業の製品技術に関わる事項まで、多岐にわたっていた。
ちなみに、中国から見える日本市場の魅力は、との問に対して、那氏は「主にブランド力と市場機会にある」と回答していた。
日本市場は中国に比べると人件費が高いため、費用削減を求める企業が多く、中国にとっては市場機会が多いと考えているようだ。その上、日本企業は安心・安全の高い品質・サービスを提供しているため、日本の大手企業が顧客にいることが中国の企業にとっては大きな実績となる。
品質が高いと世間に印象付けることで、ブランド力に課題を抱える中国企業が世界展開する際のアピールポイントとなるという。その一方で、参入障壁はやはり言語の壁にあると、那氏は回答していた。
中国企業には日本語を話せる人材も十分ではなく、日本人の雇用も容易でない。言語の壁によって相互理解が十分に深まっていないため、日本企業と中国企業の協業の成功例も数が少ないとの回答であった。

尚、技術的な質問についてはイベント中に回答することは難しいようであるが、イベント終了後のZuvaホームページから質問をすれば、Zuvaが各対象企業に対して直接質問を行い、回答を準備することも可能であるようだ。

次回は9月めど 「米国×AI」や「米国×自動運転」などをテーマに開催

上述の通り、今回のオンラインミートアップイベントのテーマは『中国×ロボットスタートアップ』で開催した。Zuvaによると、今後は米国を中心とした諸外国における、AIや自動運転などの世界的に注目されている事業を展開しているスタートアップとのオンラインミートアップイベントの開催を予定しているようである。

次回のイベントは、9月の中旬から下旬にかけて実施の準備を進めているので、今回参加された方々は勿論、都合がつかず今回参加できなかった方々も、次回は是非参加していただきたい。コロナ禍による影響で、容易に海外渡航できず、従来のように情報収集ができない現在の状況下において、同社のイベントは新規事業創出のアイデアや業務提携・出資の候補先検討の一助となる、有用な機会を提供できるものと考えている。

注1:フロンティア・マネジメントは2020年5月、海外スタートアップとの協業を支援すべく、海外スタートアップに関するデータベースを運営するZuva株式会社と資本業務提携を行い、7月にグローバルイノベーション推進室を設立した(https://ssl4.eir-parts.net/doc/7038/tdnet/1833529/00.pdf)。

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