韓国「Webtoon」から世界へ 日本→アニメ化の分業確立へ

韓国発のデジタルコミック「Webtoon」(ウェブトゥーン)作品の存在感が、日本でも増している。以前から韓流ドラマの原作となるなどして知られてきたが、最近では日本企業がアニメ化に関わり、世界に配信するという国際的な分業が確立しつつある。

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Webtoonとは

Webtoonとは、韓国発のデジタルコミックであり、世界的に人気が出ている。スマートフォンに適した縦読みスクロール型が特徴だ。紙での出版を前提としていないため、カラー作品が多い。2020年に日本でも人気となった「梨泰院クラス」など韓流ドラマの原作となっている例もある。

「Webtoon」本腰を入れたソニー、クランチロール

「Webtoon」本腰を入れたソニー、クランチロール

Webtoon作品のアニメ化に特に力を入れているのは、ソニーだ。

ソニーが2020年末に約1,200億円で買収したグローバルアニメ配信事業者「クランチロール」(2021年2月現在、有料会員数400万人超、登録ユーザー1億人超を抱える)は、韓国NAVER社のサービス「NAVER WEBTOON」における人気作品のうち、「神之塔」、「ゴッド・オブ・ハイスクール」、「ノブレス」の3タイトルを続々とアニメ化し、グローバルで配信した。

このうち、「神之塔」、「ノブレス」は、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)の孫会社であるリアルト・エンタテインメントがプロデュースを担当。神之塔の主題歌には、韓国J.Y.Park氏(NiziUのプロデュースで有名)がプロデュースするStar Kidsを登用するなど、SMEの各ビジネスが連動する企画となっていた。

日本より世界で人気

日本国内でのこの3作品の人気については、大きな反響ということにはならなかったが、「神之塔」は、グローバル配信元であるクランチロールにおいて、2020年4月期に最もよく視聴された作品のひとつとなり、アメリカ、フランス、ドイツ、ブラジルで視聴頻度が高かった模様である。

日韓の国際分業が確立

日韓の国際分業が確立

今回のプロジェクトの意義は、日韓の国際的な分業体制の枠組みが形成されたことにあるだろう。

韓国Webtoon原作作品のグローバル展開に際し、原作側のNAVER社とグローバル配信を担当する「クランチロール」がタイアップ。日本で制作されるアニメの資金を共同拠出した。

縦読みスタイルの普及、韓国優位に

日本の一般的な電子コミックは横スクロースで、“ページをめくる動き”に準拠した閲覧スタイルとなっている。日本のマンガ作品の多くは紙の雑誌にまず連載されるため、派手なアクションを「見開き」でみせるスタイルが根強いためだ。

一方、Webtoonの縦スクロールという閲覧スタイルは、動作が簡便なためスマートフォンとの相性が良い。作品も紙ではなく、最初からウェブを前提に作られている。今後グローバルでのデジタルコミックが浸透していくことになれば、韓国Webtoonのやり方が優位に立つ可能性もある。

国内でも存在感増すWebtoon

国内でも存在感増すWebtoon

日本国内においても、電子コミック関係者が、2020年の電子コミックのトレンドとして、Webtoonの人気上昇を挙げるなど、Webtoonは徐々に存在感を高めつつある。

ゲーム化が焦点

今後の注目点としては、日本のコミック発IP展開に見られるようなゲーム化と、そのグローバル展開となるだろう。

グローバル知名度を獲得したアニメIPは、ゲーム企画を進めやすい。

今回の原作側のNAVERやアニメ化を担当したSMEもスマートフォン向けゲームでの実績は十分で、資金も潤沢にある。

今後ゲーム化を予め視野に入れた大型プロジェクトを推進する可能性もあるだろう。

Kakao社、Kadokawa大株主に

Kakao社、Kadokawa大株主に

また、韓国Webtoonプラットフォームを有するKakao社の動きにも注目したい。

Kakao社は、日本では「ピッコマ」の名称で電子コミックサービスを展開している。

そのサービスメニューにWebtoonを揃えているほか、ニコニコ動画や多くのマンガ・ライトノベル作品を抱えるKadokawaに約7%を出資し、筆頭株主となるなど日本での活動を積極化してきている。

Webtoonをめぐる動きに注視を

今後、NAVERのようなメディアミックス展開を志向する可能性や、他の有力出版社への出資や、日本の電子書籍プラットフォームのロールアップの可能性も考えられる。

日本の電子コミック関連会社も、グローバルのWebtoonの浸透動向を見極め、日本で原作開発を促す、韓国の中小Webtoonプラットフォーム会社を買収するなどの対抗策に乗り出す可能性もあるだろう。今後もコンテンツの源流として、Webtoonの動向を注視していきたい。

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