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アイドルタイムの意味とは?飲食店での有効活用と対策事例を紹介
利益が出ない時間が増えると、経費ばかりがかさみ売上が伸びないといった悩みを抱えることになります。 中でも気になる点は、人件費ではないでしょうか。従業員の出勤時間をコントロールして、人件費を抑えたいと考える経営者も多いでしょう。 本記事では、アイドルタイムの有効な活用法や実例をもとに、アイドルタイムで新規顧客を呼び込む方法もご説明します。
アイドルタイムの意味とは
アイドルタイムとは、「仕事がない・働いていない」という意味を持つidleと「時間」のtimeを繋げて作られた言葉で、「仕事がない時間」のことを指します。
飲食店や小売店などでは客がいないため、従業員が売上に繋がる業務をしていない場面になります。
そしてビジネスでは、アイドルタイムが長いほど経営にも影響を及ぼすのです。
そこで店舗や小売店の店長は、アイドルタイムという言葉について、次のような使い方をします。
「アイドルタイムになったら、ミーティングをやろう」
「トイレ掃除は、アイドルタイム中にやっておいて」
「アイドルタイムを利用して、接客の練習をしよう」
このように、アイドルタイムは営業時間内の無駄な時間を埋めたいときに使用される言葉です。
アイドルタイムにもコストが発生
アイドルコストは、企業が持つ生産能力をしっかりと活用できていないときに発生する費用です。
本来ならば得られるはずの利益を得られなかったときに使う「機会損失」と言い換えられることもあります。
しかし、飲食店や小売店などの店舗経営の場合は、機会損失以外にも大きな損失を被る可能性があります。
店舗を運営する場合、人件費やテナント料、設備費などが発生するため、それが店舗の大きな損失に繋がります。
そのため、店舗スタッフのシフトをアイドルタイムに合わせてコントロールしたり、アイドルタイムを減らすための集客方法の工夫も、店舗経営の安定には重要です。
アイドルタイムの有効活用法
アイドルタイムの有効活用には、掃除やスタッフ教育など普段できない作業を従業員に実施させて時間を埋める方法と、顧客を呼び込むために新サービスを始める方法があります。
新サービスを始める場合は、新たな経費がかかる可能性もあるため、需要の有無を確認した上での実施を推奨します。
ここでは、アイドルタイムの活用法の例として、スタッフ教育とテイクアウトの開始、設備のメンテナンスについて見ていきましょう。
スタッフの教育
アイドルタイムの時間をスタッフ教育に充てる方法は、一般的にもよく行われています。
とくに新人スタッフの教育を実施しておくと、顧客への対応能力が向上したり、ピークタイム時に落ち着いて業務をこなせるようになったりするでしょう。
サービスに対する顧客への満足度向上にも繋がるため、店舗の売上にも良い影響を与えると考えられます。
テイクアウト営業を始める
アイドルタイムをテイクアウトの時間にすると、ある程度の売上が見込めます。
日本政策金融公庫が2020年10月に飲食店のテイクアウトやデリバリーサービスなどに関する消費者調査を行いました。
調査結果によると、テイクアウトの利用者は20~40代の男性に多く、週に1回以上利用する人の割合が20%以上になります(注1)。
飲食店の前を通る人の中に20~40代の男性が多いのであれば、テイクアウトを始めてみると、一定の売上が見込める可能性があるでしょう。
設備のメンテナンスを行う
アイドルタイムは顧客も少ないため、飲食店の厨房機器や設備も稼働をできるだけ抑えます。
そこで、アイドルタイムの時間を使って定期メンテナンスを行うと、営業外に時間を確保する必要がなくなり、スタッフの残業代削減、設備の長期使用が可能です。
アイドルタイムで集客するための対策事例
アイドルタイムで集客するための工夫について、次の取り組みをご紹介します。
- 空席をテレワークスペースとして貸し出し
- 飲食店における「昼宴会」プランの活用
- 学生や主婦の集客を狙った割引キャンペーン
アイドルタイムに実施できる新規顧客を集客する方法を、具体的な実例を交えてお伝えします。
店舗経営に役立てるためにも、ぜひご覧ください。
空席をテレワークスペースとして貸し出し
空席をテレワークスペースとして貸し出すと、ビジネスパーソンを顧客として取り込める可能性があります。
東京にある某飲食店では、アイドルタイムにビジネスパーソンに空いている座席をテレワークスペースとして貸し出しました。
その結果、30~40代の男性を中心にテレワークスペースの利用に繋がり、アイドルタイム中の食べ物やドリンクの売上が伸びたようです。
テレワークスペースの作成のため全席電源とWi-Fi完備を実施しましたが、大がかりな工事が一切必要なかったのもポイントです。
また今後は、オフィスに囚われずパソコン1台で、さまざまな場所を転々とする働き方をするノマドワーカーの増加が予想されます。
一般社団法人日本経営協会の「ノマドワーカーの働き方実態調査報告書」によると、ノマドワーカーと連携する考えを示した企業が212社のうちの半数以上にも上ったようです。政府によるテレワークの推進もあり、ノマドワーカーの働きやすい環境も整うと考えられます(注2)。
増加が予想されるノマドワーカーにも飲食店の空きスペースを利用してもらうと、利益の増加も期待できるでしょう。
今後の展望も考えると、飲食店の空席をテレワークスペースとして貸し出すという方法も考えられます。
飲食店における「昼宴会」プランの活用
居酒屋チェーンを運営する某企業では、アイドルタイムを利用した「昼宴会」プランが、中高年の同窓会や懇親会として利用されていたようです。
国土交通省が行った「全国都市交通特性調査」によると、食事や社交、娯楽のために外出しているのは非高齢者よりも高齢者に多いと分かっています(注3)。
夜間よりも昼間に行動が多い高齢者向けに、昼の宴会プランを作るのもよいでしょう。
学生や主婦の集客を狙った割引キャンペーン
某大手脱毛サロンでは、平日昼間のアイドルタイムを利用した割引キャンペーンを行っています。
平日の12時~16時半までに来店するとお得に脱毛を受けられるプランです。主婦や学生など、昼間に暇な時間ができる人たちをターゲットとしています。
国土交通省の調査より、非就業の女性(20~29歳の主婦・学生など)は、休日よりも平日に買い物や散髪などに移動が多いと分かっています(注4)。
若年層の主婦をターゲットにした商品やサービスを扱う場合は、昼間の割引プランが有効でしょう。
アイドルタイムを有効活用して売上を伸ばす
アイドルタイムとは、飲食や小売などの店舗において、顧客が少ない状態を指します。
アイドルタイムにもコストが発生するため、売上向上のためには、時間を無駄にしないことが重要です。
アイドルタイムを有効活用するために、スタッフ教育や設備メンテナンスで無駄な時間を埋める、またはテイクアウトや割引、アイドルタイム用のプランを提供して新規顧客を呼び込む方法などが考えられます。
今回は、具体的な事例を交えつつ、アイドルタイムの活用法をご紹介しました。ビジネスを成功させるためには、さまざまな工夫を凝らし無駄を作らない施策が大切です。
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引用(参考)
注1:消費者に定着しつつある 飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス|株式会社日本政策金融公庫
注2:ノマドワーカーの働き方実態調査報告書|一般社団法人 日本経営協会
注3:高齢者の生活・外出特性について|国土交通省
注4:都市における人の動きとその変化~平成27年全国都市交通特性調査集計結果より~|国土交通省
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